エコキュート配管凍結の教科書

2020年6月9日


今回は季節外れですが、敢えて冬場になると増加するエコキュートの代表的なトラブルをご案内させて頂きます。
エコキュートは屋外に設置してタンクに貯めたお湯をお風呂や台所で使用するシステムとなっているため、外気温の影響を受けやすい仕組みになっているのは事実です。

北海道や東北地方をはじめ山間部や日本海側となると冬場は氷点下の日が続くことも珍しくなく、その時期に突然お湯が出なくなるトラブルが増加する傾向がございます。
冬場になるとこのトラブルが多くな原因はエコキュートの配管の凍結にございます。

こういった配管の凍結トラブルはもともと冬場は極寒になる地域で起こるのですが、実は現在ではそのようなトラブルは少なくなっているのです。
冬場に毎日氷点下の日が続く地方ではエコキュートに何らかの凍結防止対策を行っていますので、逆に配管が凍結してお湯が出ないトラブルは少なくなります。

冬場でも氷点下の気温になるようなことが少ない地域は注意しておかなければいけない問題なのです。
気温が上昇して配管の凍結が無くなれば普通にお湯が出てくるようになりますので、問題ないと考える人もいると思います。

しかし、配管の凍結は配管自体を破裂させる危険があります。
エコキュートの凍結対策を無視してしまえば予想外の出費になる可能性もございます。

エコキュートが凍結してしまいお湯が出なくなった時の対処法や凍結させないための対策についてご案内させて頂きます。
少しでも参考にしていただけますと幸いです、宜しくお願いいたします。

突然お湯が出なくなったら?

朝起きて顔を洗おうと思ったら、蛇口からお湯が出なくてリモコンにはよくわからないエラーコードが表示している事がございます。エコキュートを利用している方であれば、寒い冬場などに上記のような状況に陥る可能性が誰にでもございます。

普段は寒くても氷点下マイナスにはならない地域では、年に数回ある極端に寒い朝にこのトラブルに見舞われる可能性がございます。外気温の影響によってエコキュートの配管が凍結してしまうことが主な原因です。

基本的には時間が経過して気温が上がれば凍結が無くなりますので、そこまで深刻なトラブルではございません。
エコキュートを導入して10年近く経過しているご家庭ではそもそも配管が老朽化しており、凍結によって配管に亀裂が入ってしまう恐れもございます。

配管の破損にまで発展した場合は修理費用がそれなりにかかってしまうと覚悟しておきましょう。
上記のようにエコキュートが凍結でお湯が出ない場合の対処法をいくつかご紹介しておきましょう。

しばらく放置

夜中に気温で凍結したのであれば、しばらく放置しておくだけでお湯が出るようになります。
外気温が上がっていけば配管の凍結も自然と溶けていきますので、外気温が上がったらリモコンのエラー表示を解除してエコキュートを運転してみましょう。

急いでお湯を利用する必要がない場合には給湯栓を少し開いて待っておくだけで自然に問題が解決する場合も多い傾向がございます。

ぬるま湯

エコキュートが凍結してすぐにお湯を使いたいときもあるのではないでしょうか。
その場合は無理やり凍結部分を溶かすために、凍った配管部分にぬるま湯をかける対処をしましょう。

エコキュートが凍結してお湯が出なくなるのはタンクからヒートポンプにつながる配管と、タンクから浴槽の循環口につながる風呂配管の凍結が原因となります。この部分にぬるま湯をかけて溶かしてください。

この対処法を行う時に注意が必要なのは、熱湯をかけてしまうのは絶対ダメということです。
配管にかけるお湯は人肌よりも少し暖かいぐらいのぬるま湯をかけてください。

いきなり熱湯をかけてしまうと配管が破損してしまう可能性があるのです、まず配管にタオルを巻いて徐々にぬるま湯をかけてください。最後に水分をきちんと拭き取ればお湯は出るようになります。

凍結防止対策

きちんと配管の凍結が起こらないように事前の対策を進めておきましょう。
エコキュートの凍結を防ぐにはいくつかの方法がありますのでそれぞれを簡単にご紹介しておきましょう。

一般的に有効と言われているエコキュートの凍結対策をご案内させて頂きます。

A.蛇口からちょろちょろ水を出す事を続ける

蛇口を少し開けてちょろちょろと常に水が出る状態にしていれば、配管内の水も流動し続けますので凍りにくくなります。
1分間にコップ1杯程度の水で構いません。

常に水を出しているわけですので水道代が気になるかと思いますが、一晩中出していたとしても100円もかかりません。
蛇口から出す水はそのまま排水口に垂れ流しにせず、バケツなどで受ければ洗濯に溜まった水を利用できます。

エコキュートの機種の中には温度設定で水モードにできない物もありますので、そういった機種の場合はこの手法があまりオススメできません。一晩中お湯を出しっぱなしにしてしまうと必要なときにお湯が足りなくなってしまい、日中の高い電気代でお湯を沸き増しする必要が出てくる可能性があるからです。

B.入浴後、浴そうにお湯や水をはったままにする

お風呂に入った後は全てのお湯を排水するのが普通ですが、凍結対策を考える場合には循環口の中心から10cm以上を目安としてお風呂のお湯を残しておくのです。フルオートの場合は気温が約3℃を下回ると風呂配管の凍結予防運転を自動で行う機種がございます。

この機能で配管内の水が流動しますのでエコキュートが凍結してしまうのを防ぐことができます。
浴槽に水が無い場合は循環口から水が出たり30分おきに作動音がしますので、残り湯が少ない場合はあらかじめ水を貼っておくのがオススメです。

C.各部配管に保温対策をする

上記2つの対策は特別寒い日に行う凍結対策という側面が強く、あくまでも一時的な対策です。
永続的にエコキュートの凍結対策を進めたいと考える場合は、冬場でも配管が凍結しないように何らかの保温対策を進めるのが良いです。

基本的には給水・給湯配管・ふろ配管・ヒートポンプ配管はきちんと断熱材で覆われています。
しかし、経年劣化などが原因となり断熱材が破損してしまうと配管が凍結してしまいます。

配管の断熱材不良を見つけた場合はメーカーや販売店に連絡し、補修してもらうのがオススメです。
配管の凍結防止用アイテムもいろいろありますので、そういった物で対策をするのも良いでしょう。

配管保温保護カバー

配管保温保護カバーはホームセンターでも販売されています。発泡スチロールのような保温素材で、配管の外側から誰でも簡単にはめ込めるような形状をしています。
自分で用意して配管の周りにはめ込むだけですので、エコキュートの凍結が気になる方は設置してみるのをお勧めします。

凍結防止用ヒーター

配管にヒーターを取り付けて凍結を防ぐ設備です。凍結防止用ヒーターを取り付けておけば外気温が一定以下に下がると、自動でヒーターが作動して配管の凍結を防いでくれるのです。

価格は長さによって異なるため1万円前後の費用がかかるのが一般的です。電気屋さんに頼めばすぐに取り付けてくれるのでお近くの電気屋さんに相談してみても良いかもしれません。

エコキュートの凍結を防ぐには上記のような専用のアイテムを使うことで、恒久的な凍結対策をすることが可能です。
エコキュートの設置場所によっては配管に直接風が当たるような状態になっている場合も少なくありません。

配管に冷たい風が当たってしまうと、一気に熱が奪われ凍結してしまう原因となります。
簡易的なものでも良いので風よけ対策を行っておくことがオススメです。

大手メーカーの故障トラブルの連絡先

エコキュートの機種によって水モードの有無や凍結予防運転の有無等で、持っている機能が機種や製造メーカーによってかなり違ってきます。

屋外設置が通常の給湯器は凍結問題と切っても切れない縁がありますので、各メーカーでも機種ごとによる凍結に関する対処方法を教えてくれます。

パナソニック

0120-872-150
(365日 月~土 / 9:00~19:00 日・祝・年末年始 / 9:00~18:00)

ダイキン

0120-88-1081
(365日 24時間受付)

三菱

0120-139-365
(365日 平日9:00~19:00(土日祝17:00まで)

コロナ

0120-919-302
(365日 24時間受付)

日立
0120-649-020
(365日 24時間受付)

東芝
0120-1048-19
(365日 24時間受付)

エコキュートだけでなく他の給湯器でも同様なのですが、ちょっと前まで問題なかったのに朝起きるとお湯が出ないトラブルが急増します。これは外気温の低下によってお湯を送るための配管が凍結してしまうことが原因です。

配管の凍結は北海道などの極寒地域で起こるものだと考えている人も多いですが、そういった地域ではそもそもしっかりとした凍結対策をしているので凍結の心配はないのです。
通常は配管が凍結してしまうような気温にまで下がらない地域の方ほど注意が必要になります。

このエリアだと配管の凍結対策があまりされていないことも多いですし、凍結した場合の対処法を知らない人も多いぐらいなのです。エコキュートが壊れてしまったと勘違いして余計な箇所を触って症状を悪化させてしまうような人もいます。

エコキュートの配管凍結は放置していれば自然と直るものなのですが、配管内で凍結や解凍が繰り返されてしまうと配管自体が劣化してしまう危険性が高いです。
エコキュート本体に配管凍結防止機能がついていない機種であれば、配管の凍結対策をしておくのがオススメです。

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