固定価格買取制度終了でこうすればお得にエコキュートの運用が可能!

2020年6月18日


家庭に導入されている太陽光発電システムで高額な価格で発電した電気を買ってもらうことができる固定価格買取制度の終了がはじまっています。
固定価格買取制度の終了は2019年下旬から登場し始めて、広く認知されてきております。

固定価格買取制度は再生可能エネルギーを普及促進するために設けられた制度で、一般住宅に取り付けられた太陽光発電が作った電気を電力会社に一定価格で購入してもらえることを保証したものです。

固定価格買取制度は太陽光発電の設置から10年間は高額な売電価格を保証しているものなのですが、2019年秋に丁度10年を迎えるご家庭が登場したことで2019年問題といわれておりました。FIT制度の終了がなぜここまで問題視されているのでしょうか?

固定価格買取制度が期間満了で終了してしまうご家庭では売電価格が急落してしまうのです。この制度がスタートした直後に太陽光発電を設置したご家庭では1kWh当たり43円程度という非常に高額な売電価格が保証されていたおりました。

期間満了を迎えてしまうと8円/kWh程度にまで売電価格が下落してしまいます。
売電価格は電力会社から電気を購入する買電価格よりも圧倒的に安い価格に設定されており、固定価格買取制度が終了を迎えたご家庭では売電収入を目的ではなく発電した電気を自家消費したほうがお得になります。

固定価格買取制度終了に向けて家庭の電気利用を真剣に考える人が増えてきているのは事実です。効率的に電気の自家消費を目指すためには家庭用蓄電池の導入や、エコキュートを昼間に運転させることが有効と言われています。

安い深夜電力を利用して給湯コスト削減を目指すことがメリットと言われるエコキュートで、固定価格買取制度終了を迎えたら昼間に運転させるのがお得と言われる理由をご紹介します。

固定価格買取制度終了になる昼間運転がお得?

エコキュートの昼間運転はエコキュートのメリットである深夜の安い電気料金という特徴を打ち消してしまうものと考えられますので、とてもお得になるとは思えないのではないでしょうか。
ただ、太陽光発電とエコキュートを組み合わせることで大きな電気代削減効果を得ることができるようになりますのでその点をご案内させて頂きます。

余剰電力

太陽光発電設備を導入しているご家庭は近年非常に多いです。
太陽光発電は太陽光エネルギーを電力に変換できる住宅設備で、家庭で使用する電気を自家発電できるようになり電気代を大幅に削減できるのが大きなメリットです。

太陽光発電を設置しているご家庭の多くは自宅で発電した電気を全て自分で使い切るようなことはできません。
余った余剰電力をは固定価格買取制度を利用して売電収入を得るというのが通常の使い方となっているのはご存知ですね?

自宅で使う電気を自家発電で賄い電気代を削減できるうえに、売電収入まで得られるというのが太陽光発電の最大のメリットです。
期間満了を迎えてしまうと今までのような高額な売電価格ではなく、1/4〜1/5程度にまで一気に急落してしまいます。

大手電力会社から電気を購入する価格は24~26円程度となっていますし、電力会社から買電する価格よりも圧倒的に安い価格にまで下落してしまいます。
いくら余剰電力を売電したとしても買電価格との格差で、今までのようなメリットを得るようなことができない現象が起きてしまいます。

今まで売電収入を得るために使っていた余剰電力を自家消費に回すという考えが非常に有効だと言われています。
余剰電力を使ってエコキュートを運転することを考えた場合は売電分の収入はなくなってしまいますが、電力会社から購入した電気を使ってお湯を沸かすと考えると余剰電力でお湯を沸かした方がお得になります。

夜間電力より売電価格が安くなってしまう

エコキュートを導入しているご家庭では深夜帯の電力が格安になっているプランに切り替えていることが多いでしょう。昼間のピーク時の電気代が26円弱なのに対し、深夜帯では15円弱まで電気料金が安くなるようなプランが用意されています。

エコキュートはこういった電気料金プランを上手に利用して給湯コストを抑えることができるのが大きなメリットです。固定価格買取制度終了を迎えたご家庭では売電価格が8円程度にまで下落してしまいます。

格安と言われる深夜帯の買電価格ですら売電価格を大きく上回る水準となりますので、余剰電力を売電に回さないで電気を利用してお湯を沸かした方が得になります。

昼間にエコキュートを運転させるようにすることで深夜電力プランを利用しなくても良くなるでしょう。深夜電力プランは夜間の電気代を安くする一方で、昼間の電気代は高く設定されています。

一般家庭が最も多く電気を使う時間帯の電気代も下げることができ、エコキュートの昼間運転はかなり選択肢を増やすことができるのです。

エネルギーロス

エコキュート利用は安い深夜帯の電気を利用して、日中に使う分のお湯をまとめて沸かすこととなります。このような利用方法の場合はお湯を使うまでの間にタンク内でお湯の温度が低下してしまうのです。

エコキュートの貯湯タンクはある程度温度を保つことはできるのですが、徐々に放熱して温度低下を招くのです。
一般家庭は夕方から夜にかけて多くのお湯を使うこととなるのですが、深夜にお湯を沸かすのと昼間にお湯を沸かすのではその時間差で昼間にお湯を沸かした方がエネルギーロスを少なくできるメリットが生まれます。

エコキュートはヒートポンプ技術を利用していますので空気中にある熱を効率よく利用してお湯を作る機構なのですが、当然気温の低い夜間よりも外気温が高い昼間の方が効率が良くなります。
エコキュートの昼間運転は夜間運転と比較して平均で11%程度の省エネ効果があるという実験結果もございます。

昼間運転用の機能

エコキュートの開発を行っているメーカーではより効率的にエコキュートが利用できるように様々な機能をつけるようになっています。
エコキュートを効率的に昼間運転できるようにする機能などもありますので、現在エコキュートの買い替えなどをお考えの方はこの機能がある物を選ぶのもオススメです。

パナソニック 「ソーラーチャージ機能」

パナソニックのソーラーチャージ機能は太陽光発電の余剰電力を自家消費できる機能となっています。
この機能を使えば夜間の湧き上げ量を減らして、翌日の昼間に分散して湧き上げるなどが可能になります。

三菱電機 「お天気リンクAI」

三菱電機のエコキュートにはお天気リンクAIという機能があります。
この機能は翌日が晴れの予報なら翌日の日中に太陽光発電でお湯を沸かし、雨ならお湯を晩のうちに自動で沸かすという非常に高機能なAIとなっています。

この機能を利用するためには三菱HEMSおよび別売部品のGT-HEM3が必要となります。

コロナ 「ソーラーモード」

ソーラーモードは、明日・明後日の天気予報を確認して晴れ予報の時間帯にソーラーモードをONにしておくことで、夜間にお湯をつくる量をセーブして翌日の昼間に太陽光で発電した電力を使って設定量までお湯をつくる機能となっています。
夏季などであればソーラーモードを1週間継続することも可能です、1週間経過後は自動的に通常運転モードに戻ります。

エコキュートは本来は格安な深夜帯の電力を利用することで大きな給湯コスト削減効果を得られるものです。しかし、固定価格買取制度終了を迎えたご家庭は昼間に自家発電してできる余剰電力を利用すればより効率的にエコキュートの利用ができるようになるのです。

固定価格買取制度の終了は太陽光発電を導入しているご家庭の大きなデメリットとして捉えられています。
しかし、家庭内にある住宅設備を上手に使うことで今まではできなかった電気代削減方法が利用できるのでデメリットばかりではないのです。

もし固定価格買取制度終了なのにまだエコキュートの導入をしていないのであれば、エコキュートを導入して余剰電力を有効利用できる体制を作るのがオススメです。
下落した売電価格で収入を期待せず電力を自家消費する体制を作ることで、売電収入以上の電気代削減効果を期待することも可能になります!

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