太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ

2021年1月14日

太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ

最近、新築住宅のときはオール電化住宅にして、ガス給湯器からエコキュートに交換するケースが多くなっています。
地域によっても違っていますが、多い地域では新築住宅の約6割がオール電化住宅にしているようです。
しかし、オール電化住宅にするときは、太陽光発電とオール電化を一緒に導入してガス給湯器からエコキュートに交換すると、本当に太陽光発電とエコキュートの相性がいいか気になるのではないでしょうか。
ここでは、太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ、太陽光発電とエコキュートの相性がいい理由とは?太陽光発電と相性がいいメーカーのエコキュートについてご紹介します。

■太陽光発電とエコキュートの相性がいい理由とは?

ここでは、太陽光発電とエコキュートの相性がいい理由についてご紹介します。

●太陽光発電とは?

太陽光発電というのは、太陽光パネルを自宅の屋根に設置して、電気を太陽エネルギーで作るものです。
太陽光発電で発電した電気は、自宅で消費して、電気が余ったときは電力会社に売ることができます。
太陽光発電を設置することによって、自宅の電気代が低減できることと電気を売ることができるというメリットがあります。
電気を電力会社に売るときの単価が安ければ、太陽光発電で発電した電気をエコキュートで使うと、お湯を0円で沸かすことができるため、光熱費が低減できるでしょう。

●エコキュートとは?

エコキュートというのは、「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」で、お湯を電気で沸かすものです。
エコキュートのイメージとしては、大気中の熱を電気のエネルギーで集めてお湯を作るという感じです。
エコキュートのヒートポンプを使うことによって、お湯を電気ヒーターで沸かす電気温水器よりも効率良く沸かすことができます。
なお、エコキュートという言葉は、関西電力の登録商標になっており、エコロジー(環境)とエコノミー(経済性)、キュート(可愛い)を組み合わせたものです。
世界で最初のエコキュートは、2001年4月にコロナが発売しました。
エコキュートがお得であるといわれているのは、お湯を安い夜間電力で沸かすためです。
エコキュートを利用している人に特化した電気料金プランでは、電力量料金が昼間と夜間で違っています。
お湯を夜間に沸かすエコキュートであれば、安い夜間電力を使うのみで電気代が節約できます。
お風呂の湯はり、台所の洗い物、床暖房などで、エコキュートは活躍しています。
さらに、停電が万一発生したときは、沸かしてエコキュートの貯湯タンクに貯めてあるお湯を取り出して生活用水として使えるため、万一のときの備えとしても役に立ちます。

■太陽光発電とエコキュートの相性がいい理由

ここでは、太陽光発電とエコキュートの相性がいい理由についてご紹介します。

●太陽光発電でエコキュートの電気料金プランのデメリットがカバーできる

エコキュートを利用している人に特化した時間帯別電灯契約という夜間の電力量料金が安い電気料金プランは、昼間の電力量料金が高いというデメリットがあります。
例えば、関西電力の時間帯別電灯契約は1kWhあたりの夜間の電力量料金が10.70円ですが、昼間の電力量料金はkWhによって違っていますが、21.66円~32.00円と高くなっています。
この電力量料金の違いを利用すると大幅に電気代が安くなりますが、電気を昼間に使うと損するようになります。
しかし、このときに太陽光発電で発電した余剰電力を使うと、電気代は全く掛かりません。
エコキュートを利用している人に特化した時間帯別電灯契約の電気料金プランで高くなった昼間の電気を使う必要がありません。
太陽光発電とエコキュートの相性がいいのは、このような理由です。

FIT制度が終わったために有効に太陽光発電の余剰電力が利用できる

FIT制度による10年間の太陽光発電の余剰電力の固定価格買取期間は2019年に終わったため、大幅に売電価格が下がっています。
売電価格は2019年に14円/kWhであったため、売電の方が自家消費よりもお得になっていました。
しかし、東京電力ではFIT制度が終わった後の太陽光発電の余剰電力の売電価格は8.5円/kWhになり、売電価格はFIT制度が終わったことによって1kWhあたり5.5円も下がります。
そのため、FIT制度が終わった後は、太陽光発電の余剰電力を売電しないで、お湯を沸かすためにエコキュートで使うのがお得です。
この方法であれば、太陽光発電の余剰電力を使ってエコキュートでお湯を安く沸かすことができます。
例えば、東京電力の深夜電力の時間帯別電灯契約の「おトクなナイト8」のプランのときは、電力量料金が11.82円/kWhです。
FIT制度が終わった後の売電単価が8.5円/kWhであれば、売電するよりもエコキュートで自家消費する方が1 kWhあたり3.32円も安くなります。
エコキュートで太陽光発電の余剰電力を使うと、お湯を0円で沸かすことができます。
お湯を昼間に沸かすと、気温が高いというメリットがあります。
お湯は気温の低い夜間に沸かすより、気温の高い昼間に沸かす方が、必要な電力は少なくなります。

■太陽光発電と相性がいいメーカーのエコキュート

ここでは、太陽光発電と相性がいいメーカーのエコキュートについてご紹介します。

日立のエコキュート
太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ
日立のエコキュートの「太陽光発電利用沸き上げ」は、手動のリモコン操作で設定ができ、蓄エネにも対応しています。
「太陽光発電利用沸き上げ」は、自宅の太陽光発電の余剰電力を使ってエコキュートでお湯を昼間に沸き上げます。
なお、「太陽光発電利用沸き上げ」は、日立のエコキュートのフルオートの薄型タンクのBHP-FS37WHBHP-FS46WHを除くすべての機種で対応しています。
HEMSを導入していない家庭でも、手動のリモコン操作によって、好みの設定でお湯を昼間に沸かせます。

・天気予報をチェックしては沸き増しを予約する
次の日の天気予報をチェックして、沸き上げ時間を次の日の昼間に設定することができます。
設定は、シーズンや発電量に応じて行うこともできます。
なお、昼間の沸き上げ時間の設定は最大4時間までできますが、その日の使用湯量が沸き上がったときに停まります。

・沸き増し設定が当日にもできる
次の日の天気予報が雨になっていたが実際には晴れになったときや、あるいは前の日に沸き増しの設定を忘れたときなどでも、沸き増し設定が当日にでもできます。
なお、次の日の天気予報が違ったときや、エコキュートで消費する電力量より太陽光発電で発電する電力量が少ないときは、余剰電力が足りなくなって電力会社から買電することがあります。
このときは、昼間の電力量料金で沸き上げるため電気代が高くなることがあります。
十分に湯量があるときは、昼間に沸き増ししないことがあります。

・沸き上げのイメージ
ここでは、タンク容量の80%のお湯を毎日使っているときの沸き上げのイメージについてご紹介します。
太陽光発電利用なしのときは、前の日の23時に学習機能で次の日の使用量を判断して、次の日の7時までに、次の日のお湯の使用分のタンク容量の80%を沸き上げます。
次の日の夜間までに、沸き上げしたタンク容量の80%のお湯を全て使い切ります。
翌日設定のときは、前の日の23時に天気予報をチェックして、次の日が晴れであれば学習機能で次の日の使用量を判断して、次の日の7時までに次の日の使用分の約半分の40%を沸き上げます。

残りの半分の40%は、次の日の昼間の太陽光発電の余剰電力を使って沸き上げます。
次の日の夜間までに、沸き上げしたタンク容量の80%のお湯を全て使い切ります。
当日利用設定のときは、次の日の7時までに次の日の使用分の全量の80%を沸き上げます。
次の日になって急に晴れたため蓄エネしたいときは、太陽光発電の余剰電力を使って残りの20%分を沸き増しして100%にします。
次の日の夜間までに、沸き上げしたタンク容量の80%のお湯を使って、残った20%のお湯の分は当日の深夜沸き上げを少なくします。

三菱のエコキュート
太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ
三菱のエコキュートの「お天気リンクAI」は、太陽光発電と賢く連携し、人工知能を使って太陽光発電の発電量を予測します。
「お天気リンクAI」は、「Maisart」を利用した太陽光発電の発電量を予測する技術です。
「Maisart」は、「Mitsubishi Electric’s AI creates the State-of-the-ART in technology」を省略したもので、特徴はアルゴリズムのコンパクト化、高速データ分析、機器の知見を利用した学習高効率化です。
「お天気リンクAI」は、三菱のエコキュートの三菱最高峰プレミアムのPシリーズ、充実機能のハイグレードのSシリーズ、ZEH住宅向けのEXシリーズ、シンプルベーシックのAシリーズのコンパクトエコキュート、エコキュートライトを除く機種で対応しています。
なお、詳細についてはそれぞれの製品の仕様を参照してください。
「お天気リンクAI」と太陽光発電との連携は、三菱HEMS、関連機器と別売品(「GT-HEM4」)を購入して、専門業者によるインターネット接続・工事、顧客による設定が必要になります。
どこのメーカーの太陽光発電でも接続できます。

・太陽光発電を賢く利用

「お天気リンクAI」は、ネットワークでいろいろな家電品を繋いでコントロールする三菱HEMSによって、エコキュートと太陽光発電をより賢く連携する機能です。
過去の太陽光発電の発電量と天気予報に基づいて、AI(人工知能)を使って太陽光発電の発電量を高い精度で予測して利用します。
なお、天気予報が外れたときは、エコキュートは昼間電力を使って沸き上げます。
このときは、電気代が高くなることがあります。
「お天気リンクAI」の有無に関係なく、お湯が足りないと予測されるときは昼間に沸き増しを行います。
太陽光発電を利用してエコキュートで沸き上げするときは、余剰電力がエコキュートの沸き増しに必要な消費電力よりも大きくなる必要があります。
例えば、三菱のエコキュートのSRT-S376Uのときは、太陽光発電の余剰電力の目安として1.5kW以上必要です。
なお、太陽光発電の余剰電力の目安は、シーズンや外気温によって変わるため基本的に参考値になります。

・三菱HEMSによる太陽光発電連携モード

天気予報を使った太陽光発電の余剰電力の利用は、「お天気リンクAI最大」と「お天気リンクAI標準」が設定できます。
「お天気リンクAI最大」は、天気予報と連動しており、夜間の沸き上げ量を「お天気リンクAI標準」よりも抑えます。
昼間の沸き上げを「お天気リンクAI標準」よりも多くして、太陽光発電の余剰電力の自家消費量を多くします。
「お天気AI標準」は、天気予報と連動しており、次の日の太陽光発電の発電量を予測して、夜間の沸き上げ量を抑えて太陽光発電の余剰電力を利用して昼間に沸き上げます。
「お天気リンクAIなし」は、天気予報と連動していなく、夜間の沸き上げは抑えないで、昼間は太陽光発電の余剰電力を沸き上げに利用します。
「売電優先モード」は、太陽光発電で発電した電気を可能な限りは売電したいときにおすすめです。

・簡単にスマートフォンなどから設定できる

「お天気リンク AI」などの太陽光発電連携モードは、三菱HEMSの専用アプリをインストールしたスマートフォン、タブレットで簡単に設定できます。
なお、リモコンでは設定できません。

パナソニックのエコキュート
太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ
パナソニックのエコキュートの「ソーラーチャージ」は、有効に太陽光発電の余剰電力を利用します。
「ソーラーチャージ」は、太陽光発電の余剰電力を、エコキュートで自家消費してお湯を沸かします。
夜間の沸き上げ量を抑えて、次の日の昼間にわけて沸き上げます。
「ソーラーチャージ」は、一般地向けのプレミアムクラスのJPシリーズ、ミドルクラスのJシリーズ、Nシリーズ、Cシリーズ、スタンダードクラスのNSシリーズ、寒冷地向けのプレミアムクラスのFPシリーズ、ミドルクラスのFシリーズ、スタンダードクラスのLシリーズのソーラーチャージ搭載機種が対応しています。
なお、太陽光発電のメーカーは関係ありません。
エコキュートは、通常は主として夜間電力で全量を沸き上げますが、「ソーラーチャージ」であれば次の日に太陽光発電の余剰電力があるときは夜間と昼間に賢くわけて沸き上げます。
「ソーラーチャージ」は、夜間の沸き上げ量を抑えて、夜間に抑えた分を次の日の太陽光発電の余剰電力で沸き上げます。

・「ソーラーチャージ」の利用方法

エコキュート単独のときは、夜間時間帯が始まる前に自分で次の日の天気予報をチェックして、 次の日の天気予報が晴れのときは台所リモコンのメニュー画面から設定すると、夜間と昼間にわけて沸き上げます。
エコキュート+スマートフォンの「おひさまソーラーチャージ」(JPシリーズ、Jシリーズ、Nシリーズ、Cシリーズ、NSシリーズ)ときは、天気予報をエコキュート専用アプリがチェックして賢く沸き上げます。
なお、エコキュート専用アプリの詳細については、パナソニックのエコキュートのカタログを参照してください。
エコキュート+AiSEG2の「AIソーラーチャージ」のときは、次の日の天気予報と太陽光発電の余剰電力をAiSEG2がチェックします。
次の日の天気予報が晴れで太陽光発電の余剰電力があると判断すると、夜間と昼間にわけて自動設定で沸き上げます。
なお、FPシリーズ、Fシリーズ、Lシリーズは、別売品のHEMSアダプターが必要になります。
太陽光発電の余剰電力で沸き増しするためには、次のようなサイトの条件があるため前もってチェックして下さい。

https://www2.panasonic.biz/ls/densetsu/aiseg/merit/pdf/energy-b06.pdf

AiSEG2はHOMEIoTの中核機器です。
天候や太陽光発電の発電量によっては、太陽光発電の余剰電力だけでは昼間の沸き上げが賄えなくて高い電気料金で沸かすときがあります。
そのため、天気予報、太陽光発電の発電量などを十分にチェックして「ソーラーチャージ」を設定してください。
特に、「連続設定」は注意してください。
急に天候が変わったことなどによって、「ソーラーチャージ」を途中で取り止めると、お湯が足りなくなることがあります。
そのため、お湯が足りなくならないように、沸き増しを早めに行ってください。
太陽光発電を設置していない家庭で「ソーラーチャージ」を設定すると、電気代が高くなります。

「1回設定」のときは、停電になると設定が取り消しになります。
「ソーラーチャージ」は、設定が「昼停止」や「ダブルピークカット機能」になっているときに設定すると、「ソーラーチャージ」が優先になって、自動で沸き上げます。
「ソーラーチャージ」を設定している時間以外は、貯湯タンクのお湯を沸かすために「昼停止」や「ダブルピークカット機能」が働きます。
外気温が低いときは、エコキュートを保護するために沸き上げて凍結予防運転を行うことがあります。
このときは、「ソーラーチャージ」を行わなかったり、沸き上げ時間が短くなったりすることがあります。
そのため、前の日の夜間時間帯になるまでに変更してください。
「ソーラーチャージ」は、発電量を次の日の天気予報が晴れの時間帯で予測して、太陽光発電の発電量で使用電力量とエコキュートの沸き上げに必要な電力量が賄えると判断したときに行われます。

前の日の18時のときの予測と実際の電力の使用状況や天気が違ったときは、買電が発生することがあります。
「ソーラーチャージ」を利用するときは、太陽光発電の売電価格と夜間時間帯の電気料金単価をチェックしてください。

コロナのエコキュート
太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ
コロナのエコキュートの「ソーラーモード」「ソーラーモードプラス」は、給湯がもっと賢くなります。
エコキュートは、通常運転では主に夜間に沸き上げますが、「ソーラーモード」「ソーラーモードプラス」は夜間と昼間にわけて沸き上げます。
夜間の巻き上げ量を抑えて、夜間に抑えた分を昼間の太陽光発電の余剰電力で沸き上げます。

「ソーラーモード」は、手動で好みを設定して、太陽光発電の余剰電力を自家消費します。
HEMSを導入していない家庭でも、明日、明後日の天気予報が晴れのときは「ソーラーモード」をONにすることによって、太陽光発電の余剰電力を利用して、昼間に沸き上げます。
シーズンや天気予報に応じて、「2日設定」や「1週間設定」がリモコンで設定できます。
「ソーラーモードプラス」は、太陽光発電の余剰電力を使って自動で沸き上げます。
エコキュートの運転を、天気予測データを基に専用のHEMSを介して計画します。
太陽光発電の余剰電力を前日までの電力消費パターンや次の日の天気予報から予測して、太陽光発電の余剰電力があるときは、昼間にもこの余剰電力を使って沸き上げます。
「ソーラーモード」「ソーラーモードプラス」を使うためには、HEMSに接続する必要があります。

対応しているHEMSについては、コロナに問い合わせしてください。
夜間の沸き上げは抑え目になります。
次の日の天気予報が外れたときは昼間電力で昼間に沸き上げるため、消費電力が多くなることがあります。
「ソーラーモード」と「ソーラーモードプラス」を使うためには、太陽光発電の設置容量は、370Lタイプは2.5kW以上、460 Lタイプは3.0 kW以上がおすすめです。

・HEMSを繋ぐとより便利になる
スマートフォンやパソコンなどで、外出先からでもエコキュートの自動お湯はり、自動沸き上げ、昼間の沸き増し許可などの操作ができます。
操作内容はHEMSのメーカーによって違っています。
アプリのインストールと常時繋がっているインターネット環境などが必要になります。

■まとめ

ここでは、太陽光発電とエコキュートの相性が気になる方へ、太陽光発電とエコキュートの相性がいい理由とは?太陽光発電と相性がいいメーカーのエコキュートについてご紹介しました。
太陽光発電とエコキュートの相性がいい理由としては、次のようなことが挙げられます。
・太陽光発電でエコキュートの電気料金プランのデメリットがカバーできる
・FIT制度が終わったために有効に太陽光発電の余剰電力が利用できる
太陽光発電と相性がいいメーカーのエコキュートとしては、次のようなものがあります。
・日立のエコキュート
・三菱のエコキュート
・パナソニックのエコキュート
・コロナのエコキュート

太陽光発電とエコキュートを一緒に設置しようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

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