【エコキュートの故障と火災保険】修理と交換のケース別解説と適用可能性

2023年12月4日

エコキュートの故障と火災保険:修理と交換のケース別解説と適用可能性

 

エコキュートの故障が発生して修理や交換をするときは費用がかかるため、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

ここでは、エコキュート故障時の火災保険の役割、ケース別コストと対応、火災保険の細かな補償内容とエコキュートの故障、あなたが知っておくべきポイント、実例としてのエコキュート故障と火災保険の利用についてご紹介します。

 

エコキュートの故障と火災保険:修理と交換のケース別解説と適用可能性

 


Contents
  1. エコキュート故障時の火災保険の役割
  2. 火災保険適用時のエコキュートの修理・交換の流れと必要書類
  3. エコキュート修理と交換のケース別コストと対応
  4. エコキュートの修理と交換の決定要因
  5. 火災保険の細かな補償内容とエコキュートの故障
  6. エコキュート関連のトラブルと火災保険申請の注意点
  7. エコキュートと火災保険において知っておくべきポイント
  8. 火災保険とエコキュート故障のメリットとデメリットのまとめ
  9. 実例としてのエコキュート故障と火災保険の利用
  10. エコキュート故障時の火災保険利用の流れとポイント
  11. エコキュート故障時の火災保険利用のポイント
  12. まとめ

エコキュート故障時の火災保険の役割

ここでは、エコキュート故障時の火災保険の役割についてご紹介します。

 

火災保険がカバーするエコキュートの故障事例

ここでは、火災保険がカバーするエコキュートの故障事例についてご紹介します。

エコキュートの故障が発生すると、故障要因と火災保険の契約内容によっては火災保険でカバーできることがあります。

エコキュートは、屋外に設置した給湯器であるため、自然災害の落雷や水害などの被害で故障が発生するリスクがあります。

また、外で遊ぶ子供のボールがぶつかってエコキュートの故障が発生することなどもあるでしょう。

 

建物の契約でエコキュートは補償

基本的に、火災保険の建物の契約でエコキュートは補償されます。エコキュートは、取り外しができないように屋外に設置されている建物に付属した電気的設備です。

自然災害によるエコキュートの故障を火災保険で修理や交換をしたいときは、その補償の契約が必要です。

なお、近年多くなっている水害によるエコキュートの故障は、火災保険の水災補償の契約がないと補償されないために注意しましょう。

また、エコキュートは建物の扱いになりますが、保険会社によって扱いが違うことがあるため、保険会社に問い合わせしましょう。

火災保険がカバーするエコキュートの故障事例としては、次のようなものがあります。

火災でエコキュートが故障した
落雷でエコキュートが故障した
台風でエコキュートが倒れて故障した
台風で物が飛んできてエコキュートにぶつかって故障した
落雪でエコキュートが故障した
雹(ひょう)でエコキュートが故障した
高潮や洪水でエコキュートが浸水して故障した
エコキュートが盗まれた
車が衝突してエコキュートが故障した
子どもが遊んでいたボールがぶつかってエコキュートが故障した

火災保険としては、特約の電気的・機械的事故担保特約というものがあります。電気的・機械的事故担保特約の対象は、建物で、簡単に取り外しができない建物に固定されている設備です。

エコキュートは建物に固定されている給湯器であるため、ショートや漏電が要因でエコキュートの故障が発生したときには修理や交換が電気的・機械的事故担保特約でできることがあります。

エコキュートの寿命は、一般的に10年間~15年間といわれています。しかし、エコキュートは普及してから年数がまだ浅いため、エコキュートのこのような故障事例はそれほど報告されていないようです。

電気的・機械的事故担保特約の条件は、エコキュートを使い始めてから10年以内の故障に限定されることが多いなどがあります。

しかし、エコキュートは高額な給湯器であり全く故障が発生しないということではないため、電気的・機械的事故担保特約を契約しておくと安心でしょう。

なお、火災保険の契約に電気的・機械的事故担保特約がセットになっていないときは、エコキュートの寿命などを考えて保険会社に相談しましょう。

なお、火災保険の水災補償の支払基準は、基本的に次のようになっており、基準をクリアしないと補償されません。

30%以上の損害を建物(家財)の保険価額に対して受けた
床上浸水あるいは地盤面から45cmをオーバーする浸水によって損害が発生した

近年、豪雨や台風による道路の冠水、河川の氾濫被害などによって、住宅の機械設備が被害に遭うことが多くなっています。

このような状況において、保険会社によっては特定の機械設備を水災による損害に関係なく補償する特約があるところもあります。

住宅事情がオール電化住宅の普及などによって変わって、多くの電気的設備が備わっている住宅が多くなっています。

多くの電気的設備が備わっている住宅に住んでいるときは、水災補償についてチェックしておきましょう。

 

地震によるエコキュートの転倒などでの補償

地震が要因でエコキュートが転倒したときは、火災保険では補償されません。基本的に、地震による損害で補償されるためには、地震保険を契約する必要があります。

しかし、地震保険を契約しても補償されないことが多くあると考えておきましょう。というのは、地震保険は損害状況によって全損、大半損、小半損、一部損に判定され、保険金が損害の程度に対応した支払いになるためです。

そのため、地震が発生したことによってエコキュートが転倒したなどのみでは補償されないでしょう。

 

火災保険は経年劣化による故障は補償対象外

火災保険の補償の条件は、不測かつ突発的な事故が要因であることです。そのため、経年劣化によるエコキュートの故障は火災保険で補償されないために注意しましょう。

エコキュートは、毎日使う給湯器であるため、十分に定期的なメンテナンスを行う必要があります。高額なエコキュートのような給湯器は、メーカーの無償保証期間をチェックしておきましょう。

メーカーの無償保証期間にプラスして、有料の延長保証に入ることによってさらに保証期間が延びるのでおすすめです。

 

火災保険適用時のエコキュートの修理・交換の流れと必要書類

ここでは、火災保険適用時のエコキュートの修理・交換の流れと必要書類についてご紹介します。

 

保険会社に連絡する

まず、契約している保険会社に連絡します。契約書などに保険会社の連絡先が記載されています。保険会社に連絡する内容は、次のようなものです。

契約者の氏名
被害に遭った箇所や日時
被害の状況や要因

このような内容を連絡すると、火災保険の申請書類を送ってくれます。

 

申請書類を準備する

申請書類は、自分で記載する必要があります。具体的な申請書類としては、次のようなものがあります。

被害状況報告
被害箇所を修理するときの見積書
被害箇所の写真
火災保険申請用の報告書

申請書類を準備すると、保険会社に提出します。

 

保険会社が現地調査する

損害鑑定人を保険会社が派遣して、提出された被害状況報告書などに問題がないか、場合によっては現地調査を行います。

損害鑑定人が派遣される可能性があるのは、次のようなケースです。

申請金額が高額な100万円以上などのケース
申請書類が信憑性に欠けたり不備があったりしたケース

当然ですが、このようなケースでないときでも損害鑑定人が派遣されることがあります。

 

保険金が振り込みされる

保険会社は、提出した書類と現地調査結果をベースに保険金を決めて、指定した口座に振り込みます。

 

エコキュートの修理や交換を行う

保険金を受け取った後、エコキュートの修理や交換を行います。

 

エコキュートの故障と火災保険:修理と交換のケース別解説と適用可能性

 

エコキュート修理と交換のケース別コストと対応

ここでは、エコキュートの修理と交換:ケース別コストと対応についてご紹介します。

 

エコキュートの故障原因と修理費用

エコキュートの修理費用は、故障した個所によって違います。

ここでは、エコキュートの故障原因と修理費用はいくらかかるのか?についてご紹介します。

 

配管が要因のケース

配管の亀裂やパッキンの老朽化などが要因のときは、部品を単純に交換するのみであれば、修理費用が1万円くらい~と割合安くなることが多くあります。

しかし、全面的に配管を交換するときなどは、費用もそれなりに高くなります。

 

貯湯タンクユニットが要因のケース

貯湯タンクユニットは、沸かしたお湯を貯めておくためのもので、エコキュートにとって非常に大切なものです。

貯湯タンクユニットが故障するとお湯を沸かしても貯めておくことができなて、湯切れがすぐに発生したり、お湯が出なくなったりします。

貯湯タンクユニットは、別の部品と比較すると故障することはあまりありませんが、自然災害や経年劣化などによって故障することもあります。

貯湯タンクユニットの修理費用は、30万円くらいになります。

 

ヒートポンプユニットが要因のケース

ヒートポンプユニットは、エコキュートの心臓部ともいえるものです。役割としては大気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かすものです。ヒートポンプユニットの故障が発生すると、お湯を沸かすことできなくなります。

実は、ヒートポンプユニットは、エコキュートの部品の中でも故障が発生する頻度が高くなります。ヒートポンプユニットは、エコキュートを運転するための部品が内蔵されており、いずれかの部品の故障が発生することによって、いろいろなトラブルが発生します。

ヒートポンプユニットの故障が発生した箇所によっても違いますが、修理費用は一般的に10万円~15万円くらいになります。

 

修理するより交換することをすすめられるケースもある

貯湯タンクユニットやヒートポンプユニットの故障が発生したときなどは、相当修理費用がかかるため、修理するより交換することをすすめられるケースもあります。

特に、使い始めてから年数がある程度経っているときは、修理しても別の箇所の故障がまた発生することがあるため、エコキュートを交換する方が最終的にお得になることもあります。

 

エコキュートの修理と交換の決定要因

ここでは、エコキュートの修理と交換の決定要因から見てどんな時にどちらが適切?についてご紹介します。

エコキュートの故障が発生すると、一般的に業者に対応してもらいます。このときは、エコキュートを修理するか、交換するかを判断する必要があります。

新しく交換したばかりのときは修理して使い続けることが多くありますが、寿命が近くなっているときは判断が難しいでしょう。

このようなときは、判断基準を決めておくのがいいでしょう。基本的に、エコキュートの寿命は10年間~15年間といわれています。そのため、使い始めてから10年間近くになっているときは、修理しても故障がまたすぐに発生することがあるため、エコキュートを交換する方がお得です。

エコキュートを交換するときは出費が高額になりますが、故障が発生するたびに修理するとトータルの費用が交換費用よりも高くなることがあります。

また、修理して使い続けると大きな事故が発生することもあるため、リスクがあります。そのため、思い切ってエコキュートを交換しましょう。

保証期間内にエコキュートの故障が発生したときは、修理費用が無料になるために修理するのも方法の一つです。

エコキュートを使い始めてから8年未満で故障が発生したときは修理するのがおすすめで、10年近く経って故障が発生したときは交換するのがおすすめです。

個人によって判断基準が違いますが、大きな事故が発生するリスクや費用面を考えて最も適した方法を選びましょう。

なお、自分で判断ができないときは、業者に相談するのがおすすめです。

 

エコキュートの故障と火災保険:修理と交換のケース別解説と適用可能性

 

火災保険の細かな補償内容とエコキュートの故障

ここでは、火災保険の細かな補償内容とエコキュートの故障についてご紹介します。

 

火災保険の補償内容とエコキュート故障時の適用可否

ここでは、火災保険の補償内容とエコキュート故障時の適用可否についてご紹介します。エコキュートの故障が発生したときは、故障要因と入っている火災保険の契約内容によっては、火災保険が適用されることがあります。

火災保険は、火災に遭ったときに補償されるものですが、火災のみが補償の適用範囲ではありません。住宅のいろいろな損害に対して、補償が幅広く適用されます。

例えば、エコキュートの故障は、風災や落雷など、いろいろな自然災害によって発生することがあります。

このようなときに火災保険に入っていると、エコキュートの故障に補償が適用されることがあります。

火災保険の補償対象としては、建物、家財、建物と家財があります。動かすことができないものが建物、動かせるものが家財になります。火災保険の補償対象を建物と家財にすると、建物と家財の両方の補償が適用になります。

しかし、建物あるいは家財だけを補償対象にすると、いずれか片方しか補償が適用されません。建物と家財が火災保険の補償対象にありますが、エコキュートの扱いは建物になります。

エコキュートは、建物に付随する電気設備で、設置して取り外せないようになっているため、建物の扱いになります。

火災保険を建物あるいは建物と家財で契約すると、自然災害などでエコキュートの故障が発生したときに、補償が適用されます。

なお、エコキュートの故障が発生して火災保険が適用されても、全額が補償されるということではありません。

エコキュートが補償される金額は、損害額から免責額を差し引きしたものになります。免責額は、自分で負担するもので、火災保険を契約するときに設定します。免責額が小さいと補償金額が大きくなりますが、保険料が高くなります。

一方、免責額が大きいと保険料が安くなりますが、補償金額が小さくなります。保険法によって、3年と火災保険の請求期限が決まっています。

修理が終わっていてもエコキュートの故障が発生したことが証明できると、保険金が請求できます。

 

保険金の請求方法は、次のようになります。

保険会社に連絡する
業者に調査と見積書を頼む
必要書類を保険会社に提出する
保険会社の鑑定人が調査する
保険金が入金される

 

また、保険金を請求するときは、次のような書類が必要です。なお、必要書類が保険会社によって違うため、十分にチェックしておきましょう。

保険金請求書
事故状況報告書
損害明細書
修理見積書
損害の状況がわかる写真

 

火災保険が適用される故障事例としては、次のようなものがあります。

もらい火や失火などの火災による損害
落雷による損害
ガス漏れなどによる爆発や破裂の損害
暴風雨や台風、雹、雪崩などの損害
洪水などの損害
給水設備の漏水や事故などの水濡れの損害
建物の外部からの物体の落下・衝突・飛来による損害
自動車の衝突などによる損害
盗難や盗難による汚損・損傷などの損害
不測かつ突発的な事故による汚損・破損
偶然の事故による損害
集団行動などに伴う破壊行為や暴力行為による損害

火災保険は、幅広い補償範囲があります。しかし、補償範囲が幅広いときは保険料もその分高くなります。保険料を安くするためには、必要性があまりない補償を止めるのがおすすめです。

 

エコキュート関連のトラブルと火災保険申請の注意点

ここでは、エコキュート関連のトラブルと火災保険申請の注意点についてご紹介します。

 

火災保険が適用されないエコキュート関連のトラブル

火災保険が適用されるエコキュート関連のトラブルは多くありますが、火災保険が適用されないトラブルもあります。火災保険が適用されないエコキュート関連のトラブルとしては、次のようなものがあります。

 

経年劣化によるエコキュートのトラブル

エコキュートは、寿命が10年間〜15年間で、長年使い続けているとトラブルが多く発生します。しかし、火災保険は突発的な不測の事態の風災や火災などのようなものに備えるためのもので、予測できる経年劣化などによるトラブルについては補償されません。

経年劣化によるエコキュートのトラブルかわからないときは、保険会社に問い合わせしましょう。

 

地震が要因のエコキュートのトラブル

地震は、大きな被害の規模になりやすく、火災保険で対応できないことが多くなります。しかし、日本は地震が多いため、地震による損害にも対応したいときは、地震保険に別途入る必要があります。

なお、地震保険は実際の損害額が火災保険のように支払われるものではなく、次のように保険金が建物の被害の程度によって決まっています。

建物の被害の程度が全損のときは保険金額が地震保険金額の100%
建物の被害の程度が大半損のときは保険金額が地震保険金額の60%
建物の被害の程度が小半損のときは保険金額が地震保険金額の30%
建物の被害の程度が一部損のときは保険金額が地震保険金額の5%

このように、保険会社が建物の被害の程度を審査した上で保険金額が決まります。そのため、エコキュートが地震によって倒れて故障が発生したが建物には被害が全くなかったときなどは、保険金が支払われないことがあります。

 

水災基準をクリアしていない水没によるエコキュートのトラブル

エコキュートが洪水や高潮によって水没したときは、水災基準をクリアしたときだけに補償されます。そのため、水災基準をクリアしていない水没によるエコキュートのトラブルは、火災保険が適用されません。

火災保険の水災基準は、次のようになっています。

損害が建物の保険価格の30%以上あった
床上浸水あるいは地盤面から45cmをオーバーして浸水して損害を受けた

エコキュートは大雨によって川が氾濫した、高潮がきたなどによって水没することが考えられますが、相当水災基準は厳しいのが実状です。

また、地震が要因のときは別に地震保険に入っておく必要があり、エコキュートが地震による津波が要因で水没しても火災保険は適用されません。

 

火災保険申請の注意点

火災保険を申請するときは、免責金額に注意する必要があります。免責金額というのは、自分で負担する金額です。火災保険の保険金は、損害額から免責金額を差し引きしたものになります。

例えば、20万円に免責金額を設定しているときは、20万円を損害額がオーバーしないと保険金が支給されません。

例えば、損害額が30万円であれば保険金が支給されますが、損害額が10万円であれば保険金が支給されません。

また、火災保険の契約期間も一緒にチェックする必要があります。現在の火災保険の契約期間は最長5年間ですが、従来は35年というような住宅ローンに合わせた長期契約もありました。

このような契約のときは、現在の住宅事情に火災保険の補償範囲が適していないことも考えられるため、契約内容を見直しましょう。

 

エコキュートの故障と火災保険:修理と交換のケース別解説と適用可能性

 

エコキュートと火災保険において知っておくべきポイント

ここでは、エコキュートと火災保険:あなたが知っておくべきポイントについてご紹介します。

 

エコキュート修理・交換のための火災保険活用方法

ここでは、エコキュート修理・交換のための火災保険活用方法についてご紹介します。

火災保険は、補償範囲が非常に幅広く、例えば、台風の強風で発生した住宅の被害、落雷で発生した家電品の故障、窃盗で割られた窓ガラスなども補償してくれます。

現在は台風が大型化しているため、屋根業界では火災保険で台風による屋根被害が修理できるということが有名になってきています。

これと同じように、火災保険がエコキュートの故障の要因によっては適用されます。

 

火災保険がエコキュートの修理に適用される仕組み

ここでは、火災保険がエコキュートの修理に適用される仕組みについてご紹介します。いかにエコキュートの故障でも、全く条件もなく火災保険が全ての修理に適用されるということではありません。

基本的に、住宅設備のエコキュートのようなものの修理に火災保険が適用されるのは、エコキュートが火災保険の建物の契約で補償対象になるためです。

エコキュートは、基本的に、建物に付属する電気設備で、一般的に取り外しが困難なようにしっかりと固定されています。

そのため、このような設置をするエコキュートは、建物の扱いになるため、火災保険が適されます。なお、保険会社によって、この扱いが微妙に違うことがあるため、自分が入っている保険会社に念のために確認しておきましょう。

火災保険が実際に適用されるためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。火災保険には特約の風災や雪災などがありますが、どのような特約が入っている火災保険に付いているかによって火災保険が適用されるかが決まります。

例えば、エコキュートに台風の強風で飛んできた物がぶつかって故障したときは、風災補償が火災保険に付いているのであれば、火災保険が修理に適用されるでしょう。

このような特約については、最近の火災保険であれば風災補償などがスタンダードな状態でも一般的に付いています。

しかし、住宅ローンを利用するために入る火災保険などのときは、このような特約が付いていないこともあるため、自分で一度入っている火災保険の補償範囲をチェックしておきましょう。

 

火災保険が適用されるエコキュートの故障の要因

火災保険が適用されるエコキュートの故障の要因としては、次のようなものなどがあります。

住宅火災でエコキュートが故障した
落雷でエコキュートが故障した
台風の強風でエコキュートが転倒して故障した
強風で飛んできた物がエコキュートに当たって故障した
屋根の雪が落ちて、エコキュートに当たって故障した
洪水でエコキュートが水没して故障した
エコキュートが盗まれた
エコキュートの周りで子供が遊んでいて、ボールが当たって故障した

エコキュートのこのような故障の要因のときは、火災保険が適用されます。なお、特約を全く付けていないときは火災保険が適用されません。

 

エコキュートの故障の要因が経年劣化のときは適用されない

火災保険は、不測かつ突発的な住宅の被害があったときに補償してくれるものです。例えば、屋根が台風の強風で飛ばされた、窓ガラスが飛来物で割れたなどがあります。

そのため、エコキュートの故障の要因が経年劣化のときは、火災保険が適用されません。エコキュートは、毎日使うことによっていろいろな箇所が消耗して、故障が発生することもあります。

このようなエコキュートの故障のときは、火災保険が適用されないと把握しておきましょう。

 

地震によるエコキュートの被害は適用されない

不測かつ突発的な事故でも、エコキュートの故障の要因が地震のときは火災保険が適用されません。というのは、地震による被害の規模は大きくなりやすいため、火災保険を適用すると、保険会社が支払いできなくなることがあるためです。

地震によるエコキュートの故障にまで備えたいときは、地震保険にも火災保険に付帯する形で入る必要があります。

しかし、地震保険に入っていても、損害判定方法によっては補償が適用されないこともあると把握しておきましょう。

地震保険については、保険会社に確認しましょう。

 

水害の補償は注意する必要がある

近年は、夏のシーズンの台風の大型化やゲリラ豪雨によって、洪水や河川の氾濫などが多くなっています。

エコキュートの故障がこのような水害によって発生したときは、水害補償による火災保険が適用されるでしょう。

しかし、次のような支払い基準が火災保険の水害補償にあるために注意しましょう。

建物(家財)の保険価額に対して損害を30%以上受けた
床上浸水あるいは地盤面から45cmをオーバーする浸水によって損害が発生した

火災保険を水害によるエコキュートの故障に適用したいときは、保険会社が決めた支払い基準をクリアする必要があります。

なお、近年は水害が多くなっていることもあり、損害の程度に関係なく、特定の設備については補償される特約を付けている保険会社もあります。

オール電化住宅など、電気設備が多くあるときは、このような特約もチェックしておきましょう

 

火災保険とエコキュート故障のメリットとデメリットのまとめ

ここでは、火災保険とエコキュート故障についてのメリットとデメリットのまとめについてご紹介します。火災保険は、建物や家財を火災などが発生したときに補償するためのものです。

補償対象としては建物と家財があり、エコキュートは建物になります。そのため、補修対象が建物の火災保険に入っていると、保険金がエコキュートの故障のときに支給されます。

自分が入っている火災保険の補償対象が建物か家財かわからないこともあるでしょうが、住宅ローンを利用しているのであれば間違いなく補償対象が建物になっています。

火災などによるエコキュートの故障は、修理や交換が火災保険でできるというメリットがあります。しかし、火災保険は保険金が支給されないというデメリットもあります。

次のようなケースは、保険金が支給されません。

 

経年劣化によるエコキュートの故障

エコキュートの故障の要因が経年劣化のときは、火災保険の保険金が支給されません。火災保険は想定外の災害や事故に備えるためのもので、経年劣化は確実に発生することがわかっていることであるため、補償されません。

エコキュートの寿命は10年間〜15年間とされているため、10年間をオーバーしてからの故障は経年劣化と判断されることがあります。

エコキュートの故障が経年劣化によるものか、災害によるものかの判断は保険会社が行いますが、老朽化したエコキュートの故障は補償してくれないことがあることを把握しておきましょう。

 

免責金額以下の修理費用

免責金額を火災保険に設定しているときは、修理費用が免責金額よりも安ければ保険金が支給されません。

例えば、20万円の免責金額で15万円の修理費用のときは、修理費用より免責金額の方が大きいために保険金が支給されません。

なお、25万円の修理費用のときでも、保険金は免責金額を差し引きした5万円しか支給されません。

火災保険の保険料は免責金額を設定すると安くなりますが、万一のときに保険金が支給されなかったり、少なくなったりするために注意しましょう。

 

エコキュートの故障と火災保険:修理と交換のケース別解説と適用可能性

 

実例としてのエコキュート故障と火災保険の利用

ここでは、実例としてのエコキュート故障と火災保険の利用についてご紹介します。

 

実際のエコキュートの故障事例と保険適用の詳細

ここでは、実際のエコキュートの故障事例と保険適用の詳細についてご紹介します。

 

火災でエコキュートが故障した

火災でエコキュートが故障したときは、火災保険が適用されます。エコキュートはお湯を少ない電気で沸かすためにオール電化住宅で設置されることが多くありますが、火災が漏電などで発生することがあります。

また、火災が発生しないように注意していても、もらい火による火災のリスクもあります。火災保険に入っていると、火災でエコキュートが故障したときに補償されます。

 

落雷でエコキュートが故障した

落雷でエコキュートが故障することがあります。落雷の後にエコキュートが運転できなかったり、エラーコードがリモコンに表示されたりしたときは、落雷が要因と考えられます。

落雷によるエコキュートの故障で火災保険が適用された事例としては、次のようなものがあります。ゲリラ豪雨が発生したときに、住宅の近くに落雷が発生し、エコキュートが故障しました。

エコキュートの故障の症状としては、ポンプなどは問題ありませんでしたが、沸き上げができなくなりました。そして、落雷の後はお湯がしばらく出ましたが、最終的に出なくなりました。

落雷が要因であるとわかったのは、落雷の後にエコキュートの台所リモコンにエラーコードが表示されたためです。

そのため、メーカーに修理を頼んで、保険会社にも連絡しました。このときに、保険会社に契約書番号、落雷の日時、故障の状況などを伝えると、今回のケースであればたぶん補償されるでしょうということでした。

送られてきた保険金請求書、建物とのエコキュートの関係がわかる写真、故障した箇所の写真、修理の見積書を準備して、保険金請求をしてくださいといわれました。

落雷でエコキュートが故障したときは火災保険が適用されますが、落雷がわかる証拠の提出を保険会社によっては要求されることがあります。

落雷がわかる証拠は、気象庁のホームページのデータをプリントしたものや、修理不能証明書をメーカーに発行してもらったものでもいいため、保険会社に確認しましょう。

 

台風でエコキュートが故障した

エコキュートは屋外設置であるため、台風が来ると強風で倒れて故障することがあります。また、物が台風で飛んできて、エコキュートにぶつかって損傷することもあります。

風災も火災保険はカバーしているため、台風でエコキュートが故障したときは補償されます。しかし、風災が補償内容に含まれていないときは、補償されません。

そのため、入っている火災保険の補償内容をチェックして、風災によるエコキュートの故障が補償されるかを調べておきましょう。

 

洪水や高潮でエコキュートが浸水した

近年は異常気象が世界各地で目立ち、豪雨による洪水が日本でも発生することがあります。エコキュートは、洪水が発生すると浸水して故障することもあります。

水災も火災保険は補償されますが、条件があるために注意しましょう。支払い基準が水災には設けられています。

エコキュートが洪水や高潮によって浸水したときは、次のような条件をクリアする必要があります。

建物の保険価格の30%以上の損害があった
床上浸水あるいは地盤面から45cmをオーバーして浸水した

なお、この両方の条件をクリアする必要があるケースといずれかをクリアすればいいケースがあるため、チェックしておきましょう。

エコキュートは屋外設置であるために浸水しやすくなりますが、浸水しても水災の支払い基準をクリアしなくて補償されないことがあります。

近年は、河川が豪雨によって氾濫して、水災に住宅設備機器が遭うことが多くなっています。そのため、水災による損害の程度に関係なく、特定の機械設備について補償される特定設備水災補償特約を付ける保険会社が多くなっています。

自然災害が発生しやすい地域に住んでいるときは、特定設備水災補償特約を水災に備えて検討してみましょう。

 

運転ミスで車がエコキュートにぶつかった

火災保険の保障範囲は、建物外部からの物の落下・衝突・飛来もあります。例えば、火災保険は運転ミスで車がエコキュートにぶつかったときも適用されます。

火災保険は火災のときだけに補償されると思っているかもしれませんが、車がエコキュートに衝突したときも補償されるため、万一のときでも安心です。

 

子どものボールがエコキュートにぶつかって故障した

子どもがボールで遊んでいて、ボールがエコキュートにぶつかることもあるでしょう。ボールがぶつかってエコキュートが故障したときは、破損・汚損が補償内容に含まれていると、火災保険で補償されます。

エコキュートは屋外設置であるため、ボールなどがぶつかって故障することもあります。火災保険に入っていると、このような突発的かつ不測なエコキュートの故障に対応しているために安心です。

なお、補償されるのは基本的に予測できないエコキュートの故障に対してです。わざとボールをぶつけてエコキュートが故障したときは、補償されません。

 

エコキュート故障時の火災保険利用の流れとポイント

ここでは、エコキュート故障時の火災保険利用の流れとポイントについてご紹介します。

 

エコキュート故障時の火災保険利用の流れ

エコキュート故障時の火災保険利用の流れは、次のようになります。

 

被害状況をチェックする

火災や自然災害に遭ったときは、落ち着いて安全を確かめてから、被害状況をチェックしましょう。火災保険を利用するときは証拠が必要であるため、故障した箇所の写真を撮っておきます。

写真を撮るのが困難なときは、保険会社に確認してください。

 

保険会社に連絡する

被害状況がチェックできると、保険会社にすぐに連絡しましょう。特に、規模の大きな災害が発生したときは、保険会社が忙しいために保険金の支給が遅れることがあります。そのため、できる限り早く連絡しましょう。

保険証券を前もって手元に用意しておくと、スムーズに話が進みます。また、被害の日時、場所などを前もってメモしておくといいでしょう。用意ができると、保険会社に連絡します。

なお、代理店で火災保険の契約を行っているときは、代理店に連絡しましょう。

 

修理業者に連絡する

自分で修理業者を手配する必要があります。見積もりを複数の業者から入手して、十分に比較検討しましょう。また、ネットの口コミや評判を参考にするのもおすすめです。

信頼できる業者であれば、費用の根拠などについて親切丁寧に教えてくれるでしょう。火災保険で修理することを伝えると、申請書類を作成してくれることもあります。

被害の大きさや箇所によって、エコキュートの修理費用が違っています。なお、もし良くない業者とトラブルが発生したときは、消費者生活センターや国民生活センターに相談してください。

 

必要書類を作成する

保険会社から届いた次のような必要書類を作成しましょう。

保険金請求書
事故内容報告書

また、保険会社などによっては、次のよう書類が必要になります。

損害明細書
罹災証明書
修理見積書
保険金直接支払指図書
被害がわかる写真
印鑑証明書
住民票
建物登記簿謄本

 

必要書類を保険会社に送る

必要書類が用意できると、保険会社に送ります。不備が必要書類にあると余計に時間がかかるため、送る前に十分にチェックしてください。

 

保険会社が調査や審査を行う

必要書類が届くと、保険金の支払い対象かを保険会社がチェックします。損害保険登録鑑定人が保険会社から派遣されることが、場合によってはあるでしょう。

損害保険登録鑑定人は、事故要因の調査や損害額の鑑定などを行います。聞き取りのみのこともありますが、被害状況などを現場で調査することもあります。

なお、損害保険登録鑑定人も限定されているため、相当保険金の支払いが遅れることもあります。さらに、鑑定して疑問が申請書類にあるときは、保険金が支払われないこともあります。

 

保険金が振込される

審査に受かって保険金額が決まると、保険会社から指定した口座に保険金が振込されます。そして、はがきなどで保険金の明細が届くでしょう。保険会社などによっては、時間がかかることもあります。

火災保険では、免責金額を損害額から差し引きした保険金額が支払われます。保険金は自由に使うことができます。

 

エコキュート故障時の火災保険利用のポイント

火災保険は、請求期限に注意しましょう。火災保険の請求期限は、損害が発生してから3年以内です。保険会社によって起算日の決め方が違っていますが、3年の請求期限は決まっています。

というのは、保険法によってこの請求期限が厳密に決まっているためです。損害が発生してから時間が保険金請求までにかかるほど、損害の調査が困難になります。

3年以上になると保険金の適正な支払いができないため、請求期限が火災保険では決まっています。損害が発生した後は忙しくなるでしょう。

しかし、請求期限が保険金の請求にあることを把握し、できるだけ早く請求を行いましょう。また、次のようなことから請求を忘れることが多くあります。

・小さな損害であるため、火災保険が利用できるとは考えていなかった
・連絡したり書類を用意したりするのが大変で、そのままにしていた
・火災保険にネットで入ったが、どのように請求するといいかわからない

特に、小さな損害のときは、請求を見落としがちです。保険金がいかに安くても、請求しないと全く保険金が支給されません。迷ったときは、保険会社に連絡してみましょう。

 

エコキュートの故障と火災保険:修理と交換のケース別解説と適用可能性

 

まとめ

ここでは、エコキュート故障時の火災保険の役割、ケース別コストと対応、火災保険の細かな補償内容とエコキュートの故障、エコキュートと火災保険で知っておくべきポイント、実例としてのエコキュート故障と火災保険の利用についてご紹介しました。

エコキュートの故障が発生して修理や交換の費用に悩んだときは、火災保険を利用することを検討しましょう。


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