寒冷地で石油給湯器を使用したい方へ

2021年10月12日

寒冷地で石油給湯器を使用したい方へ
石油給湯器は寒冷地で多く使用されているため、寒冷地で石油給湯器を使用したいと思っている方も多くいるのではないでしょうか。

ここでは、寒冷地で石油給湯器を使用したい方へ、寒冷地で役に立つ石油給湯器とは?エコキュートを寒冷地で使うメリット・デメリットについてご紹介します。
寒冷地で石油給湯器を使用したい方へ
■寒冷地で役に立つ石油給湯器とは?

石油給湯器は、灯油を燃焼してお湯を沸かすためのものです。
石油給湯器としては、角型や円筒型だけでなく、住宅の壁面取付型などがあります。
石油給湯器の特徴は、寒冷地のマンションや住宅などで使うときにランニングコストが安いことです。
灯油タンクは、ほとんど屋外に設置されています。

●石油給湯器の種類

石油給湯器の種類としては、水道直圧タイプと貯湯タイプがあります。
水道直圧タイプは、石油給湯器の中にある管をバーナーで加熱します。
水道水の圧力をほとんどそのまま利用しています。
石油給湯器の中には加熱される管があり、バーナーの熱を有効に利用するように考えられています。
お湯が必要な分のみを都度沸かすために無駄に灯油がならなく、またお湯を上の階で使用するときにも十分に水圧を維持することができます。
一方、貯湯タイプは、貯湯タンクの中にある水をバーナーで加熱します。
貯湯タイプは、水を一定以上貯湯タンクの中に常に貯めておいて加熱するため、まとめてお湯を使用するときでもお湯がすぐに出てきます。
屋内に供給される水道水の圧力が一定でなくても、問題なく使用できます。

●石油給湯器のメリット

ここでは、石油給湯器のメリットについてご紹介します。

・小さい灯油タンクでも長期間使用できる
石油給湯器は、熱量が1容積あたり大きいため、小さい灯油タンクでも長期間使用できます。

・ガス給湯器より安い
石油給湯器は、ガス給湯器より安いこともメリットです。

・取り扱いが容易である
ガス給湯器は、ガス漏れが発生するとガスが居住スペースに侵入するリスクがあります。
そのため、ガス爆発や一酸化中毒などが発生することもあります。
しかし、石油給湯器は、比較的灯油が漏れることが少ないため取り扱いが容易です。

●石油給湯器のデメリット

ここでは、石油給湯器のデメリットについてご紹介します。

・灯油タンクの設置スペースが必要である
都市ガスのガス給湯器であれば、住宅の周りに灯油タンクを設置する必要がありません。
しかし、石油給湯器は灯油タンクを設置する必要があります。
また、決められた一定以上の容量の灯油タンクを設置するときは、資格が必要になります。

・ランニングコストが安定しない
石油給湯器で使う灯油は、ガスなどと同じように値動きがあることもあります。
過去にはオイルショックなどで灯油価格が非常に高くなったこともあり、ランニングコストが安定しません。

・安定して灯油が確保できる状態を維持する必要がある
灯油をそれほど燃料として使用していないところでは、秋や冬の多く灯油を使用するシーズン以外は灯油を住宅に配送してくれる業者を確保する必要があります。

●石油給湯器の本体価格の相場

ここでは、石油給湯器の本体価格の相場についてご紹介します。
給湯専用タイプの石油給湯器の本体価格の相場は、50,000円~100,000円くらいです。
追いだき機能付きタイプの石油給湯器の本体価格の相場は、100,000円~150,000円くらいです。
このように、石油給湯器の本体価格の相場は機能によって相当違っています。
石油給湯器のメーカーの大手の本体価格の相場としては、次のようになっています。
長府の石油給湯器が50,000円~200,000円
ノーリツの石油給湯器が50,000円~380,000円
コロナの石油給湯器が50,000円~450,000円
このように石油給湯器の本体価格の相場に幅があるのは、メーカー希望小売価格と実売価格の違いだけでなく、給湯出力や追いだき、リモコンなどが違っているためです。

●石油給湯器の耐用年数

石油給湯器は、2009年(平成21年)に施行された長期使用製品安全点検制度によって製造、販売されています。
基本的に、長期使用製品安全点検制度に該当する石油給湯器の本体の前面カバーには、次のような項目が表示されています。
特定保守製品
型式
特定製造事業者等名
製造年月
設計標準使用期間
点検期間
問合せ連絡先
それぞれの石油給湯器のメーカーとも、10年間を設計標準使用期間としています。
これをオーバーすると安全上の支障が経年劣化によって生ずることがあるだけでなく、頻繁に使用するときは経年劣化が設計標準使用期間よりも早く発生するようになります。

●石油給湯器の工事費

石油給湯器の工事費は、次のような条件などによって大きく違ってきます。

・住宅やマンションに給水配管や灯油配管がすでにあるか

・灯油タンクが近くに設置できるか

・石油給湯器や灯油タンクが設置できるスペースが確保されているか

・石油給湯器を設置するところの強度が十分にあるか

すでに石油給湯器を使用しており、石油給湯器の本体のみを交換するときの工事費は、シーズンや地域によっても違いますが、30,000円~60,000円になります。
すでに給水配管があり、灯油タンクを屋内に設置するだけのときでも、灯油タンクの形状やサイズによって工事費には幅があります。
配管を新しくするときは、配管工事自体がマンションなどではできなく、クローゼットなどを加工して設置場所を新しく確保する必要があることも最悪のケースではあります。
このようなケースでは、さらに配管工事と室内造作分の費用がかかります。

●石油給湯器のランニングコスト

ここでは、石油給湯器のランニングコストについてご紹介します。
よくシャワーを使用する2人の子供がいる4人家族が石油給湯器だけを使用するとしたときに、どの程度ランニングコストがかかるかについて計算してみます。
水道水の温度は年平均で18℃、1Lあたりの灯油の単価を85円としたときは、年間のランニングコストは約53,120円になります。
計算式としては次のようになります。
お風呂の湯はり熱量は、200Lに42℃から18℃を差し引きしたものを掛けた4,800kcalになります。
シャワーで使用する熱量は、1人あたりの使用時間の5分間と1分間あたりシャワー流量の12Lと4人を掛けた240Lに40℃から18℃を差し引きしたものを掛けた5,280kcalになります。
洗面台で使用する熱量は、1分間あたりの流量の8Lに1人あたりの使用時間の2分間に4人を掛けた64Lに40℃から18℃を差し引きしたものを掛けた1,408kcalになります。
台所で使用する熱量は、1分間あたりの流量の6Lに1回あたり3分間と3回を掛けた54Lに37℃から18℃を差し引きしたものを掛けた1,026kcalになります。
年間のトータル熱量としては、1日あたりの熱量の12,514kcalに365日を掛けた4.57Gcalになります。

●石油給湯器の定期的な点検やお手入れの方法

ガス給湯器では、ガス設備についての点検などが以前から行われてきました。
ガス給湯器、石油給湯器などは、非常に古くなると爆発、一酸化炭素中毒などの事故が多く発生しました。
そのため、平成21年(2009年)に施行された長期使用製品安全点検制度に基づいて、製造輸入販売者とユーザーの両方に保守や点検が義務化されています。
この制度の下で製造、販売されている特定保守製品は、特定保守製品という表示が本体にあります。
ユーザーは購入するときに、はがきなどで所有者登録をメーカーで行います。
特定保守製品は、法定点検があり、費用をユーザーが支払って点検してもらうことが義務化されています。
石油給湯器のトラブルは、屋外以外に屋内での人命などに影響することもあります。
そのため、主として次のような点検を行います。
水漏れや燃料漏れ
外形の変化
燃焼の状態
異音が発生していないか
設置場所の周囲に事故や火事の可能性がありそうな変化のチェック
点検の時期は法律で決まっています。
長期使用製品安全点検制度が施行される前に設置した製品は点検制度が適用されませんが、トラブルを防止するために点検が広く呼びかけられています。

●石油給湯器の油漏れが発生したときの対応方法

石油給湯器の油漏れは、設置したところで灯油の臭いがしたり、灯油タンクの灯油が早く減ったり、灯油を配達してくれるガソリンスタンドのスタッフが見つけたりすることなどによって発見されることが多くあります。
そのため、灯油タンクを屋外や屋内で使っているときは、安いということで灯油を配達してくれるガソリンスタンドを頻繁に変更しないで、期間をシーズンごとなどのように決めて続けて利用することによって、油漏れが早く見つかりやすくなります。
石油給湯器の油漏れが発生したときの対応方法は、油漏れした箇所にもよって違いますが、初動は同じになります。
油漏れが発生したときは、慌てないですぐに石油給湯器の運転スイッチを切ってください。
灯油タンクの給油バルブを閉めます。
石油給湯器の本体の油漏れのときは、業者やメーカーに連絡しましょう。
石油給湯器の本体以外の油漏れのときは、灯油を配達してくれるガソリンスタンドに連絡しましょう。
ガソリンスタンドでは、石油給湯器の油漏れの対応ができる業者を紹介してくれることもあります。
屋内の灯油タンクから油漏れしたときは、灯油が気化して引火することがあります。
業者などが来るまでは、絶対に近くで火を使わないようにしてください。

●石油給湯器のトラブルが発生したときの対応方法

石油給湯器のトラブルが発生したときは、電話やメールで業者やメーカーなどに問い合わせして修理する必要があるかアドバイスしてもらいましょう。
あるいは、自宅の近くの修理業者などに来てもらって、点検、修理してもらいます。
頻繁に多くの家庭で交換する部品のトラブルのときは、修理が即日でできるときもあります。
しかし、それほどトラブルが発生しないような部品などのトラブルのときは、部品の取り寄せも含めて、修理が数日間~数週間かかることもあります。
点火しにくくなった、普段と違う音であるなどのときは、電話やメールで業者やメーカーなどに問い合わせしましょう。

●寒冷地で役に立つ石油給湯器とは?のまとめ

ここでは、寒冷地で役に立つ石油給湯器とは?についてご紹介しました。
石油給湯器は、灯油でお湯を沸かすものです。
石油給湯器のメリットとしては、次のようなものがあります。
長期間利用でき省スペースである
ガス給湯器よりもランニングコストが安い
取り扱いが容易である
一方、石油給湯器のデメリットとしては、次のようなものがあります。
灯油タンクを設置するためのスペースが必要である
灯油の値動きに影響される
安定して灯油が確保できる状態を維持する必要がある
石油給湯器の価格の相場としては、機能などでも相当違っていりますが、給湯専用タイプは50,000円~100,000円くらい、追いだき機能付きタイプは100,000円~150,000円くらいです。
石油給湯器は、天災で地域一帯が万一被災しても、都市ガスなどのような復旧作業を待たなくても使える非常に便利なものです。
取り扱いも容易であるため、石油給湯器は節約と安全を備えた強い暮らしの味方です。
寒冷地で石油給湯器を使用したい方へ
■エコキュートを寒冷地で使うメリット・デメリット

寒冷地で石油給湯器を使用したい方は、エコキュートについても検討してみましょう。
エコキュートとしては寒冷地仕様が一般地仕様の他にあるため、寒冷地に住んでいるときでもエコキュートを使うことができます。
ここでは、エコキュートを寒冷地で使うメリット・デメリットについてご紹介します。

●寒冷地とは?

エコキュートは、大気中の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。
そのため、一般地仕様のエコキュートは低い外気温の地域であれば効率が悪くなるため、寒冷地仕様のエコキュートが必要になります。
寒冷地というのは、次世代省エネルギー基準という国が決めた日本の断熱化基準に基づいたもので、Ⅰ地域とⅡ地域があります。
具体的には、次のような地域でマイナス10℃を外気温が下回るときは、寒冷地仕様のエコキュートが必要になります。
北海道
青森県
山形県
岩手県
福島県
群馬県
栃木県
新潟県
山梨県
長野県
岐阜県
なお、マイナス20℃を外気温が下回るときは、屋外にエコキュートを設置することができません。

●一般地仕様のエコキュートと寒冷地仕様のエコキュートの違い

一般地仕様のエコキュートと寒冷地仕様のエコキュートの違いとしては、次のようなものがあります。
低い外気温での効率アップ機能
凍結防止ヒーターの搭載
現地施行のときの断熱材の追加
エコキュートのフルオートタイプは、貯湯タンクユニットと浴槽の間の配管、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットの間の配管でお湯や水が循環するようになっています。
しかし、一定以下に外気温がなれば、循環するお湯や水が凍って、お湯が沸かなくなることがあります。
そのため、寒冷地仕様のエコキュートは、凍結防止運転機能が配管の凍結防止のために搭載されています。
性能はメーカーによって違っていますが、例えば、ダイキンでは実験場が北海道旭川市にあり、マイナス20℃を外気温が下回るときでも正常に凍結防止運転機能が働くかをチェックしています。
また、寒冷地仕様のエコキュートは、一般地仕様のエコキュートに比較して、価格が高くなっています。
例えば、パナソニックのエコキュートの一般地仕様のJPシリーズと寒冷地仕様のFPシリーズは、ほとんど基本的な機能や性能は同じですが、40,000円くらいメーカー希望小売価格が違っています。

●エコキュートを寒冷地で使うメリット

ここでは、エコキュートを寒冷地で使うメリットについてご紹介します。

・ランニングコストがガス給湯器よりも安い
パナソニックのエコキュートの北海道エリア WEBカタログによると、お湯を寒冷地で沸かすときのランニングコストとしては、エコキュートが1、石油給湯器が2、電気温水器と都市ガスのガス給湯器が3になります。
エコキュートは電気と大気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かしますが、電気エネルギーは大気中の熱エネルギー2に対して1だけ使うため、お湯を電気温水器の3分の1くらいで沸かすことができます。
そのため、エコキュートは優れた省エネ性能の給湯器です。
2018年時点で、北海道のガス代の平均は1月あたり4,552円で、1年あたり54,624円です。
家庭のエネルギー消費量の約3割を給湯が占めているため、北海道では給湯に1年あたり約18,000円かかることになり、エコキュートに変更することによって1年あたり約12,000円のランニングコストの低減が期待できます。

・水道が凍ってもお湯が使える
エコキュートはお湯を貯湯タンクの中に貯めるようになっており、停電や断水のときでも生活用水としてお湯を使うことができます。
北海道などの寒冷地では、水道が凍って断水することが多くあります。
保温材で貯湯タンクは覆われているため、寒冷地でも温かさが数日間くらいは保たれます。
また、メーカーによっては飲用としても生活用水以外に使えるエコキュートもあります。
寒冷地で規模の大きな自然災害が発生したときは、時間がインフラの復旧するまでにかかります。
特に、インフラが冬のシーズンに途絶えると生命に関わることもあるため、万一のときのためにエコキュートを設置するのは災害対策の一つの選択肢になります。

●エコキュートを寒冷地で使うデメリット

ここでは、エコキュートを寒冷地で使うデメリットについてご紹介します。

・厳しい寒波のときは使えない
寒冷地仕様のエコキュートでも、マイナス20℃を外気温が下回ると使えません。
日本でも、マイナス20℃を外気温が下回ることが実際にはあります。
また、エコキュートは大気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かしますが、低い外気温ほどお湯を沸かすときのエネルギー効率が下がります。
エネルギー効率が下がると、電気エネルギーを使う割合が多くなるため電気代が高くなることがあります。
そのため、寒冷地仕様のエコキュートでも、冬のシーズンはエネルギー効率が悪くなり、マイナス20℃を異常寒波で外気温が下回ると使えなくなることがあります。

・エコキュートを室外に設置するときは積雪対策が必要である
室内にもエコキュートは設置できますが、スペースがそれなりに必要であるため、ほとんど屋外に設置します。
しかし、寒冷地のときは、積雪対策が室外に設置するときは必要になります。
というのは、風雪が吹き込んで凍る、雪にヒートポンプユニットが埋まる、水が霜取運転で流れ落ちて凍るなどによって、ヒートポンプユニットが止まったり、トラブルが発生したりします。
そのため、積雪対策部材を買って設置するのがおすすめですが、出費としては20,000円~40,000円くらいかかります。
外気温が下がることによって使えなくなったり、エネルギー効率が下がったりするリスク、積雪対策部材の費用を考慮すれば、エコキュートを寒冷地で使うのであれば設置するのは室内の方がおすすめです。
地震などが発生したときに転倒を防止するために、寒冷地で屋内にエコキュートを設置するための金具セットをメーカーも販売しています。
しかし、エコキュートは大きなサイズであるため、設置が室内であればスペースがある程度必要になります。

●寒冷地で使うエコキュートの選び方

ここでは、寒冷地で使うエコキュートの選び方についてご紹介します。

・エコキュートの寒冷地仕様のものから選ぶ
エコキュートを国が決めた次世代省エネルギー基準のⅠ地域・Ⅱ地域で設置するときは、マイナス20℃~25℃に運転できる最低気温がなっている寒冷地仕様のエコキュートから選ぶようになります。
エコキュートのメーカーのホームページを見ると、一般地仕様のエコキュートの他に寒冷地仕様のエコキュートのページが準備されているため、この中のエコキュートから選びましょう。

・エコキュートのタイプを選ぶ
エコキュートのタイプとしては、給湯専用タイプ、セミオートタイプ、フルオートタイプがあります。
給湯専用タイプのエコキュートは、シンプルな給湯だけのシステムで、メリットはシンプルな機能であるためセミオートタイプよりも安いことで、デメリットは湯はりが手動で、追いだきや自動保温ができないことです。
セミオートタイプのエコキュートは、自動湯はりの機能が搭載されており、さし湯、たし湯の機能も機種によっては搭載されており、メリットはフルオートタイプに比較して安いことで、 デメリットは追いだきや自動保温ができないことです。
フルオートタイプのエコキュートは、追いだきや自動湯はりなどの機能が搭載されており、いろいろな機能がボタンのみで使えます。
メリットは、入浴する時間帯が違っている家庭、追いだきしたい方に向いていることで、デメリットは価格が機能の多い分高くなることです。
フルオートタイプのエコキュートは、人気が最も高いものですが、高性能・多機能であるため価格も高くなっています。
一方、給湯専用タイプやセミオートタイプのエコキュートは、シンプルな機能であるため、価格はフルオートタイプよりも安くなっています。
現在のエコキュートのメインはフルオートタイプですが、給湯専用タイプやセミオートタイプのエコキュートも売れています。
エコキュートを選ぶときは、それぞれの家庭に適したものにしましょう。

・エコキュートの貯湯タンクの容量を選ぶ
エコキュートの貯湯タンクとしては、容量の違うものがいくつか準備されています。
貯湯タンクの容量は、貯まるお湯の量に関係してきます。
貯湯タンクの容量と家族数の目安としては、次のようになります。
貯湯タンクの容量が300L~400Lのときは家族数が3人~5人
貯湯タンクの容量が400L~460Lのときは家族数が4人~7人
貯湯タンクの容量が500L~のときは家族数が5人~8人
多くのお湯を使うまたは多くの来客がある家庭であれば貯湯タンクは大き目のものを購入する方がおすすめですが、貯湯タンクの容量は価格にも影響します。
例えば、パナソニックの寒冷地仕様のFPシリーズのエコキュートのメーカー小売価格は、貯湯タンクの370Lの容量のものに比較して80,000円くらい460Lの方が高くなります。
なお、基本的な機能や性能は同じです。
また、貯湯タンクユニットの高さが、室内にエコキュートを設置するときは問題になります。
パナソニックのエコキュートのFPシリーズの460 Lの容量の貯湯タンクユニットの高さは2,170mmもあり、梁があるところでは設置できません。
屋外に設置するときも同じように、十分なスペースが隣家との間に無ければ設置が貯湯タンクの容量によってはできないこともあります。

・エコキュートのメーカーを選ぶ
エコキュートは、特徴や機能がメーカーによって違っています。
ここでは、主なメーカーのエコキュートの特徴、機能についてご紹介します。
パナソニックのエコキュートは、特徴が高い省エネ性能で、トップシェアを争っており、寒冷地年間給湯保温効率が3.2~3.3です。
三菱のエコキュートは、特徴がマイクロバブルを利用した機能で、機能はホットあわー、バブルおそうじ、寒冷地年間給湯保温効率が2.7~3.4です。
コロナのエコキュートは、特徴が高い耐震性能で、お湯が緊急のときでも使えること、汚れ防止のコーティング、低騒音であるためマンション向けであること、機能はWセンサー搭載で、寒冷地年間給湯保温効率が3.2~3.3です。
日立のエコキュートは、特徴がそのまま飲用できる機能が搭載されており、特殊な水質の硬度の高い井戸水や水道水などにも対応していることで、機能は水道直圧給湯のナイアガラタフネスで、寒冷地年間給湯保温効率が2.8~3.0です。
ダイキンのエコキュートは、特徴がフルオートタイプでも使える入浴剤の種類が多いこと、性能が薄型のエコキュートで高いことで、機能はマイクロバブル入浴、温浴タイムで、寒冷地年間給湯保温効率が2.7~2.9です。
東芝のエコキュートは、特徴が多くの衛生面に特化した機能が搭載されていること、業界トップクラスのメーカーの保証で、機能は光タッチリモコン、銀イオンの湯で、寒冷地年間給湯保温効率が2.8です。
メーカーごとに寒冷地年間給湯保温効率(JIS)の値が違っていることが、着目すべきことです。
年間給湯保温効率(JIS)というのは、ユーザーの使用実態を考えた給湯保温効率を表示するために、年間を通じてエコキュートをある一定の条件のもとで運転したときの単位消費電力量あたりの風呂保温熱量と給湯熱量を表示したものです。
高い数値ほど優れた省エネ性能ということで、ここでご紹介した寒冷地年間給湯保温効率は寒冷地仕様エコキュートの最新の数値です。
平均的に数値が高いのは、パナソニック、三菱、コロナで、次に日立、ダイキン、東芝です。
寒冷地年間給湯保温効率は基本的に目安で、使用方法や家族スタイルなどによって実際の電気代は違います。
しかし、省エネ性能や電気代にこだわるときは重要視しましょう。
なお、貯湯タンクの容量が大きくなるほど、寒冷地年間給湯保温効率は低下します。

●エコキュートを寒冷地で使用するときに注意すること

ここでは、エコキュートを寒冷地で使用するときに注意することについてご紹介します。

・マイナス20℃を外気温が下回ることがある地域では屋内設置用のエコキュートを選ぶ
先にご紹介したように、寒冷地仕様のエコキュートでもマイナス20℃の外気温を下回ると使えなくなります。
そのため、マイナス20℃を外気温が下回ることがある地域では、エコキュートは屋内設置用のものがおすすめです。
基本的に、屋内設置用と屋外設置用のエコキュートは、本体カラーや外形寸法、主な機能などは同じです。
しかし、屋外設置用に比較して屋内設置用は20,000円くらい高くなります。

・冬のシーズンで省エネ設定であればお湯の量が不足する
エコキュートは低い外気温の冬のシーズンであればエネルギー効率が悪くなるため、夏のシーズンに比較して給湯にかかる費用が高くなります。
そのため、省エネ設定にして節約し、お湯の量を少なくするときがあります。
しかし、冬のシーズンはお湯を使う量が多くなる時期でもあります。
夏のシーズンにはシャワーのみを使っていても、冬のシーズンは十分に温まるためにお風呂を使うことも多くあるでしょう。
冬のシーズンで省エネ設定にしていれば、お湯の量が不足してお湯を昼間に沸かすようになります。
電気料金プランをエコキュートを設置するときには変えますが、ほとんどは昼間に高い電気料金プランになっています。
高い電気料金の昼間にお湯を沸かさないように、きちんとお湯の量を調整しましょう。

・霜取りを定期的に行う
冬のシーズンのよくあるエコキュートのトラブルとしては、夏のシーズンはお湯の量が余るにも関わらず冬のシーズンはお湯の量が少なくなるということがあります。
冬のシーズンはお湯を使う量が多くなるため、夏のシーズンと同じ設定であればお湯の量が不足しやすくなりますが、他の理由がもう1つあります。
理由としては、霜がヒートポンプユニットの背面に付いていることです。
大気中の熱を利用してエコキュートはお湯を沸かしますが、熱が奪われた大気は冷たくなって排出されます。
このときに、冷たくなった空気中の水分が結露して、霜となってヒートポンプユニットの背面に付くことがあります。
付いた霜をそのままにしておくと、目詰まりがヒートポンプユニットで発生して、給湯効率が悪くなります。

冬のシーズンにお湯の量が不足することがあるときは、霜がヒートポンプユニットの背面に付いている可能性があります。
そのため、一度ヒートポンプユニットの背面をチェックしてみましょう。
霜取りモードが、エコキュートには搭載されています。
霜取りモードを定期的に起動することによって、霜によるヒートポンプユニットの目詰まりを防ぐことができます。
また、霜だけでなくヒートポンプユニットが積雪で埋まると給湯効率が悪くなります。
そのため、積雪対策を行うために、ヒートポンプユニットの周囲の雪かきを積雪量によっては行いましょう。

●エコキュートを寒冷地で使うメリット・デメリットのまとめ

ここでは、エコキュートを寒冷地で使うメリット・デメリットについてご紹介しました。
エコキュートは優れた省エネ性能の給湯器で、寒冷地でもお湯を沸かしてランニングコストが安くなります。
しかし、大気中の熱を利用してお湯を沸かすため、寒冷地仕様のエコキュートを選ぶようになります。
寒冷地仕様のエコキュートを選ぶときは、貯湯タンクの容量やJISの数値、メーカーなどがポイントになります。
もし、寒冷地仕様のエコキュートの選び方がわからなければ、業者に相談してください。
寒冷地で石油給湯器を使用したい方へ
■まとめ

ここでは、寒冷地で石油給湯器を使用したい方へ、寒冷地で役に立つ石油給湯器とは?エコキュートを寒冷地で使うメリット・デメリットについてご紹介しました。

寒冷地で役に立つ石油給湯器は、灯油でお湯を沸かすものです。

石油給湯器は、次のようなメリットがあります。

長期間利用でき省スペースである
ガス給湯器よりもランニングコストが安い
取り扱いが容易である

一方、石油給湯器は、次のようなデメリットがあります。

灯油タンクを設置するためのスペースが必要である
灯油の値動きに影響される
安定して灯油が確保できる状態を維持する必要がある

寒冷地で石油給湯器を使用したい方は、ぜひ参考にしてください。

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