エコキュートとプロパンガスの徹底比較【2021年】

2021年1月18日

エコキュート_プロパンガス比較
台所やお風呂で使うお湯を沸かす給湯機としては、エコキュートやガス給湯器などがあります。
お湯を沸かすためには費用がどの程度掛かって、毎月の支払いはどの程度になるだろうかというのは気になるでしょう。
オール電化住宅にしようと思って給湯機としてエコキュートを使おうと考えている方でも、もしプロパンガスの給湯器であればどうなるのだろうと知りたいのではないでしょうか。
もしエコキュートよりプロパンガスの給湯器の方がお得であれば、給湯機だけはプロパンガスの給湯器にしようと思うかもしれません。
ここでは、エコキュートとプロパンガスの給湯器の徹底比較、エコキュートとプロパンガスの併用のメリット・デメリットについてご紹介します。

■エコキュートとプロパンガスの給湯器の徹底比較

ここでは、エコキュートとプロパンガスの給湯器の徹底比較についてご紹介します。

●エコキュートとプロパンガスの給湯器の設置費用

まず、給湯機の概要についてご紹介します。
給湯機としては、給湯専用のものと風呂のお湯はりや追いだきもできるものがあります。
ここでは、お湯はりや追いだきもできる給湯機のエコキュートとプロパンガスのガス給湯器についてご紹介します。

・エコキュートの設置工事
電気を使う給湯機としては、お湯を電気ヒーターだけで沸かす電気温水器と、お湯をヒートポンプを使って沸かすエコキュートがあり、エコキュートの方が電気代は3倍程度安くなります。

エコキュートで給湯するためには、給湯設備の浴槽やシャワーなどを設置したうえで、次のような工事を主に行います。
そのため、次のような工事の費用が掛かります。
基礎を作って、エコキュートの貯湯ユニットを据付します。
ヒートポンプユニットを据付します。
エコキュートの台所リモコンと風呂リモコンを、それぞれ台所と浴室に取り付けます。
貯湯ユニットに給水配管を接続します。

給湯配管を、貯湯ユニットから台所や浴室まで設置して接続します。
貯湯ユニットとヒートポンプユニット間の配管を設置して接続します。
貯湯ユニットとヒートポンプユニット間の配線を接続します。
エコキュートは、AC200V電源であるため、200Vを分電盤に準備して、貯湯ユニットに電源を接続します。
台所リモコンと風呂リモコンと貯湯ユニット間を配線します。

・プロパンガスの給湯器の設置工事
プロパンガスの給湯器としては、省エネ用と一般用があります。
省エネ用のプロパンガスの給湯器としてはエコジョーズがあり、熱効率は一般用の80%から95%にまでアップしており、二酸化炭素が低減できるのみでなくプロパンガスを使う量も少なくなります。

プロパンガスの給湯器で給湯するためには、プロパンガスのボンベ、給湯設備の浴槽やシャワーなどを設置したうえで、次のような工事を主に行います。
そのため、次のような工事の費用が掛かります。
プロパンガスによる給湯を行うためには、プロパンガスのボンベ、エコジョーズの給湯器を設置します。
プロパンガスの給湯器は、床置き型や壁掛け型などから選べます。
プロパンガスの給湯器の台所リモコンと浴室リモコンを、それぞれ台所と浴室に取り付けます。

プロパンガスの給湯器に、給水管、ガス管を接続します。
給湯配管を、プロパンガスの給湯器から台所や浴室まで設置して接続します。
台所リモコンと風呂リモコンとプロパンガスの給湯器間を配線します。
プロパンガスの給湯器は、AC100V電源であるため、100 Vのコンセントを準備して、給湯器に電源を接続します。

・エコキュートとプロパンガスの給湯器の設置費用の比較
先にご紹介したエコキュートとプロパンガスの給湯器の設置工事としては、次のような費用がかかります。
エコキュートは、本体のメーカー希望小売価格が70万円~90万円、設置工事費が25万円~45万円です。
プロパンガスの給湯器は、本体のメーカー希望小売価格が10万円~30万円、設置工事費が4万円~6万円です。
また、耐用年数は、エコキュートもプロパンガスの給湯器も10年間~15年間です。
なお、エコキュートとプロパンガスの給湯器の本体価格は、業者によっては値引きなどがあり、実際には非常に安くなることがあります。
相見積もりをとったりして検討すると、安くエコキュートとプロパンガスの給湯器を設置することができます。

●エコキュートとプロパンガスの給湯器のランニングコストの比較

ここでは、エコキュートとプロパンガスの給湯器のランニングコストの比較についてご紹介します。
まず、比較する上での前提条件についてご紹介します。
1日に使用する湯量としては、次のように仮定します。
なお、計算を簡単にするため、お湯はシーズンに関係なく毎日次のように使用するとします。
炊事で使用する湯量は3回×5分×6L/分で90L
洗面で使用する湯量は4人×1分×6L/分で24L
風呂で使用する湯量はお湯はりの200L+たし湯の40Lで240L
シャワーで使用する湯量は4人×3分×8L/分で96L
1日に使用する湯量は450Lになります。
また、平均の給水温度は冬が9℃、春・秋が17℃、夏が25℃ですが、計算を簡単にするため年間を通して17℃とします。

・エコキュートのランニングコスト

エコキュートで給湯する方法は、例えば、65℃の200Lのお湯を夜間に貯湯ユニットに貯めて、例えば17°の水と貯めたお湯を混ぜて42℃で給湯します。
貯湯ユニットのお湯は夜間に貯めて翌日の夜間まで貯めておくため、この間の保温を考慮して必要なお湯を沸かします。
年間給湯保温効率は、このようなことなどを考慮して計算しているものであり、給水を加熱して保温するためにかかる熱量を消費電力で割ったものです。
年間給湯保温効率は、メーカーや機種によって違っていますが、ここでは高効率タイプの3.7とします。
給水を加熱して保温するためにかかる熱量は、450Lの17℃の水を42℃のお湯にするためのものであるため、450L×(42℃-17℃)×1kcalで11,250 kcalになります。
860 kcalが1 kWhであるため、電力量は11,250 kcal÷860 kcalで13.1 kWhになります。
そのため、1日当たりの消費電力は、13.1kWh÷3.7(年間給湯保温効率)で3.54kWhになります。
オール電化向け東京電力の商品スマートライフSで契約すれば、お湯をエコキュートが沸かす午前1時~午前6時の電力量料金(1kWh)は17.78円になります。

そのため、エコキュートの電気代は、1日当たりが3.54kWh×17.78円の63.0円で、1月当たりが63.0円×30日で1,890円、1年当たりが1,890円×12ヶ月で22,680円になります。
なお、電力量料金(1kWh)としては、関西電力では夜間が10円/kWh程度、中部電力や九州電力では夜間が13円/kWhなどもあります。
エコキュートは、給水温度、外気温度によって年間給湯保温効率が違ってきます。
そのため、エコキュートの電気代は、ここで計算したものよりも高くなることがあります。
また、年間給湯保温効率は、寒冷地、水温や外気温が低い地域では低くなります。
ここでは、エコキュートの年間給湯保温効率を3.7としましたが、メーカーや機種によって違っています。
最新のエコキュートの年間給湯保温効率としては、4.0という高いものもあります。
エコキュートの電気代は、年間給湯保温効率が小さい方が高くなります。
例えば、年間給湯保温効率が最もエコキュートの中で多い3.3のときは、1月当たりの電気代が2,119円になり、年間給湯保温効率が3.7のエコキュートの電気代との違いは、1月当たり2,119円-1,890円で229円になります。

・プロパンガスのガス給湯器のランニングコスト

17℃の給水を加熱して42℃にするとします。
450Lの17℃の給水を加熱して42℃にするための熱量は、450L×(42℃-17℃)×1kcalで11,250 kcalになります。
プロパンガスの熱量は1㎥当たり24,000kcalであるため、450Lの42℃のお湯を作るためのプロパンガスの量は11,250kcal÷24,000kcalで0.47㎥になります。
プロパンガスの給湯器のエコジョーズを使うと、95%の熱効率であるため、実際に使用するプロパンガスの量は0.47㎥÷0.95で0.49㎥になります。
プロパンガスの1㎥当たりの単価を528円とすると、給湯のために掛かるプロパンガス代は、1月当たりが10.49㎥×30日×528円で7,762円、1年当たりが7,762円×12ヶ月で93,144円になります。
なお、プロパンガスの1㎥当たりの単価は、東京都の2019年8月のプロパンガスの平均価格です。
この平均価格は、石油情報センター発表値の基本料金平均が1,719円、10㎥の単価が6,994円のときです。

・エコキュートとプロパンガスの給湯器のランニングコストの比較
先にご紹介したエコキュートとプロパンガスの給湯器のランニングコストを比較すると、次のようになります。
エコキュートの電気代は、1月当たり1,890円、1年当たり22,680円です。
一方、プロパンガスの給湯器のガス代は、1月当たり7,762円、1年当たり93,144円です。
そのため、エコキュートの電気代はプロパンガスの給湯器のガス代の約1/4になります。
エコキュート_プロパンガス比較
■エコキュートとプロパンガスの併用のメリット・デメリット

エコキュートは、近年多く設置されています。
しかし、ライフスタイルがいろいろあるため、エコキュートを設置するかどうか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、エコキュートとプロパンガスの併用のメリット・デメリットについてご紹介します。

●エコキュートとは?

エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用した電気給湯機で、「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と正式にはいいます。
ヒートポンプユニットで大気の中の熱を汲み上げて、二酸化炭素の自然冷媒を使って圧縮して高温にして、水に熱を伝えることによってお湯にするものです。
エコキュートは、電気エネルギーを使って熱エネルギーに効率良く換えることができるため、給湯機として環境に優しいといわれています。

●エコキュートの設置費用・ランニングコスト

エコキュートを設置するためには、エコキュートの本体の費用にプラスして、設置工事費がかかります。
エコキュートの本体のメーカー希望小売価格は、3人~5人家族用の350L程度の容量で60万円程度です。
しかし、実際の販売価格は、一般的に大幅に値引きされます。
設置工事費は15万円程度で、エコキュートの設置費用はトータルで33万円~60万円が相場です。
さらに、すでに設置していたガス給湯機を取り外したり、配電盤を換えたりするなどが必要なときは、費用が追加で必要になることもあります。
このように、エコキュートの設置費用は結構高額になります。

しかし、エコキュートは、ランニングコストが安いことが最大のメリットです。
エコキュートのランニングコストは、東京電力エナジーパートナーのエリアでパナソニックのエコキュートを使ったときは、1月当たり平均で約1,900円、1年当たり約22,800円といわれています。
都市ガスのガス給湯器のランニングコストは1年当たり平均約61,200円で、プロパンガスのガス給湯器であればさらに高くなることを考えると、エコキュートは大幅にランニングコストが低減できます。
このように、エコキュートはランニングコストが安いため、10年以内には高い設置費用も回収できるでしょう。

●ガスを止めてオール電化にする

エコキュートと一緒にIHクッキングヒーターを設置すると、ガスを止めてオール電化にすることができます。
オール電化のメリットはガスと電気の料金が1本化できるなどがありますが、IHクッキングヒーターの設置費用がかかります。

●エコキュートとプロパンガスの併用のメリット

IH クッキングヒーターはヒーターから鍋底が離れると加熱できないため、ガスの炎で加熱することに慣れている方は不便かもしれません。
調理するときはガスを使いたいという方は、エコキュートとガスを併用するのも方法の一つです。
都市ガスが供給されていないエリアであれば、プロパンガスを使う必要があります。
では、エコキュートとプロパンガスの併用はメリットがあるのでしょうか?
ここでは、エコキュートとプロパンガスの併用のメリットについてご紹介します。

・災害などのときにもお湯が使える
エコキュートであれば、貯湯タンクにお湯がいつも貯まっているため、災害などのときにもお湯が使えます。
また、オール電化では停電になったときに調理ができなくなりますが、エコキュートとプロパンガスの併用であればプロパンガスが使えるため、調理したり、お湯を沸かしたりすることなどができます。
災害が発生したときは、電気の方が都市ガスよりも復旧が早く、プロパンガスの方が都市ガスよりも復旧が早くなります。
そのため、災害が発生したときにはエコキュートとプロパンガスの併用はメリットがあるといえるでしょう。

・エコキュートを設置するときに補助金が給付される自治体もある
自治体によっては、エコキュートを設置するときに補助金を給付しているところもあります。
そのため、住んでいる自治体の補助金を調査して、お得にエコキュートが設置できるかを確認してみましょう。

・オール電化よりも生活リズムによってはお得になる
エコキュートとプロパンガスの併用のときは、一見するとオール電化よりも高くなるのではないかと考えられがちです。
しかし、昼間電力は高いため、調理を昼間に多く行うときは、プロパンガスを使った方が安くなることがあります。

・どのような鍋の材質・形状でも使える
プロパンガスを使ったガスコンロのときは、どのような鍋の材質・形状でも使えますが、 IHクッキングヒーターのときは電気が通らない土、アルミニウム、銅、ガラスなどの材質のものは使えません。
エコキュートとプロパンガスの徹底比較【2021年】
●エコキュートとプロパンガスの併用のデメリット

ここでは、エコキュートとプロパンガスの併用のデメリットについてご紹介します。

・エコキュートの昼間の沸き上げは高くなる
エコキュートは、基本的に電気料金が安い深夜電力を使ってお湯を沸き上げするものです。
そのため、お湯が昼間に足りなくなって昼間に沸き上げすると、プロパンガスの給湯器よりも料金が高くなることもあります。
エコキュートを使うときは、生活リズムや季節に応じたモードに設定したり、すぐにお湯を使わなければ昼間に沸き上げするのを止めたりするなどを考えることが必要です。

・エコキュートはメンテナンスを定期的に行う必要がある
エコキュートは、沸かしたお湯を貯湯タンクに貯めておくものであるため、基本的に蛇口から出るお湯は貯めておいたものになります。
そのため、定期的に貯水タンクの水抜きをするなどのメンテナンスを行わないと、水質が悪くなることがあります。

●エコキュートとプロパンガスの併用は検討する価値がある

エコキュートとプロパンガスの併用は、先にご紹介したようにいろいろなメリットがあるため、検討する価値があります。
しかし、エコキュートとプロパンガスの併用は、先にご紹介したようにデメリットもあるため、災害が発生したときのことなども考えて、いろいろな選択肢から最も適したものを選ぶことが必要です。

■まとめ

ここでは、エコキュートとプロパンガスの給湯器の徹底比較、エコキュートとプロパンガスの併用のメリット・デメリットについてご紹介しました。
設置費用としては、エコキュートの方がプロパンガスの給湯器よりも高くなります。

しかし、ランニングコストとしては、エコキュートの電気代はプロパンガスの給湯器のガス代の約1/4になります。
また、エコキュートとプロパンガスの併用は、メリットがあるため検討する価値があります。

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