エアコン2027年問題とは?住宅設備のプロが解説する賢い交換タイミングを知りたい方へ
2026年3月20日

エアコンを交換しようと思っている方も多くいるのではないでしょうか。
しかし、エアコンを交換するときは注意する必要があります。
ここでは、エアコン2027年問題とは?住宅設備のプロが解説する賢い交換タイミングを知りたい方へ、エアコンの2027年問題のポイント、今後エアコンの本体価格が値上がりする可能性、エアコンの交換は「早め」がポイントについてご紹介します。

■エアコンの2027年問題のポイント
ここでは、エアコンの2027年問題のポイントについてご紹介します。
・2027年からエアコンの省エネ基準が大幅に引き上げ
経済産業省は、今までも「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」に基づいて、定期的に多くのエネルギーを消費する製品についての省エネ基準を見直してきました。
エアコンは、大きな割合を家庭のエネルギー消費量の中で占めており、この省エネ基準の対象の一つになります。
近年は、電力の供給が需要に対して追いつかないシーンが多くなり、地球温暖化に対する対応も急がれています。
このような状況を考慮し、さらにエアコンの省エネ性能をアップすることが必要であると判断されました。
そのため、次のような適用年度を目標とする新しい省エネ基準が定められました。
壁掛けタイプのエアコンは2027年度
その他の天井埋め込みタイプや壁埋め込みタイプ、床置タイプなどのエアコンは2029年度
この新しい省エネ基準に対応するために、メーカー側はエアコンの効率の高い設計や性能アップのための開発を進める必要があります。
従来の部品や設計では対応が困難なこともあり、大きな転機をエアコンのマーケット全体が迎えるようになります。
新しい省エネ基準では、大幅にエアコンの省エネ性能を表すAPF(通年エネルギー消費効率)の基準値が引き上げられます。
高いAPFのエアコンほど、省エネ性能が高く、電力消費が少なくなります。
例えば、4.0kWクラスの壁掛けタイプのエアコンのときは、新しい省エネ基準をクリアすることによって省エネ性能が34.7%改善される見込みです。
新しい省エネ基準の導入によって、エアコンの電気代を同じ運転時間でも抑えやすく、環境に対する負荷も少ない機種が多くなるでしょう。
その分、省エネ性能を高くするためにかかる費用が上乗せされて、エコキュートの本体価格が高くなる可能性があります。
・新しい省エネ基準未達の機種は販売できなくなる
経済産業省による省エネ基準は、APFの基準値が大きく2027年から引き上げられます。
そのため、新しい省エネ基準未達のエアコンは、2027年4月以降に販売できなくなります。
最終的に、本体価格の安いエアコンが少なくなり、ユーザーの負担が多くなるのではないかと懸念されています。
現在、マーケットに流通している本体価格の安いエアコンの多くは、2027年度の新しい省エネ基準が未達です。
・低価格モデルの減少が予想される
低価格モデルのエアコンは、新しい省エネ基準未達であるため、2027年問題によって影響を受けます。
そのため、それぞれのメーカーは、省エネ性能をアップした新しいエアコンに切り替えをしています。
省エネ性能のアップが必要になるため、全体的に低価格モデルの減少が予想されます。

■今後エアコンの本体価格が値上がりする可能性
ここでは、今後エアコンの本体価格が値上がりする可能性についてご紹介します。
・高性能化による製造コストの増加
今後エアコンの本体価格が値上がりする可能性があるのは、メーカー全体に課せられるルールのためです。
このルールは、メーカーが年間に出荷するエアコンの加重平均値が、国が決めた省エネ基準を達成する必要があるというものです。
そのため、省エネ基準未達のエアコンを製造すると、その分省エネ基準値の平均値を押し上げるため、大量に高性能のものを製造する必要があります。
最終的に、省エネ基準未達のエアコンは製造を止めて、省エネ基準をクリアした高性能のものを製造するようになるため、製造コストが増加します。
・環境対応による開発コストの上昇
新しい省エネ基準に対応するため、メーカーは冷媒の改良や高効率のコンプレッサーの開発、AI制御などの新しい環境対応の技術の開発が必要になります。
そのため、環境対応による開発コストが上昇します。
・“安く買えるエアコン”は減少傾向へ
2027年問題を考えた駆け込み需要によって、2026年〜2027年にかけて“安く買えるエアコン”は減少傾向になると予想されます。
そのため、“安く買えるエアコン”の在庫がなければ、やむを得ず本体価格の高いモデルを選ぶようになることもあるでしょう。
また、エアコンの取り付け工事も集中しやすく、工事の予約が取りにくくなることも考えられます。
さらに、人手不足や繁忙期のために、高めにエアコンの取り付け工事費用が設定されるおそれもあります。
そのため、エアコンの本体価格だけでなく、取り付け工事費用を含めたトータル額が高くなるために注意する必要があります。
では、実際にエアコンの本体価格はどの程度高くなるのでしょうか?
2027年度以降、実際にエアコンの本体価格がどの程度高くなるかは、それぞれのメーカーごとの設定方法、旧モデルの在庫量などによって変わるため、一律ではありません。
なお、2026年2月時点では、先行してパナソニックの「Jシリーズ」をベースに省エネ性能のみをアップした「Cシリーズ」が販売されています。
エアコンの本体価格は、現時点で2倍くらいと高めですが、他社との競争を考慮すると今後安くなることも考えられるでしょう。

■エアコンの交換は「早め」がポイント
ここでは、エアコンの交換は「早め」がポイントについてご紹介します。
・故障後は選択肢が少なく、費用も高くなりやすい
現在使っているエアコンが故障した後は、すぐに交換する必要があるため、選択肢が少なくなり、取り付け工事費用なども高くなりやすくなります。
・需要増加前の検討が重要
2027年問題を考えた駆け込み需要によって、2026年〜2027年にかけて“安く買えるエアコン”は減少傾向になると予想されるため、需要が増加する前に検討することが重要です。
・計画的な交換でコストと快適性を両立
エアコンは、故障する前に計画的に交換することによって、コストと快適性を両立することができます。
・国や自治体の補助金制度を利用してお得に買い替え
エアコンを買い替えるときは、結構費用がかかるために悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし、エアコンを買い替えるときは、次のような国や地方自治体の補助金制度を利用するとお得です。
(国のエアコンの補助金制度)
実施が2026年度以降に見込まれている「みらいエコ住宅2026事業」では、一定の条件をクリアすると、高効率エアコンの買い替えが補助金の対象になることがあります。
「みらいエコ住宅2026事業」は、区分として「住宅の新築」と「既存住宅のリフォーム」があり、エアコンの買い替えが補助対象になるのは、後者のときです。
具体的には、必須工事の開口部や外壁・床というような箇所の断熱改修などを行ったうえで、対象になる高効率エアコンを設置するときです。
そのため、リフォームと一緒に高効率エアコンの買い替えを検討しているときは、「みらいエコ住宅2026事業」を利用しましょう。
なお、「みらいエコ住宅2026事業」の詳しい内容については、下記のサイトをチェックしてください。
https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/
(地方自治体のエアコンの補助金制度)
東京都の「東京ゼロエミポイント」は、家庭の二酸化炭素排出削減が目的の補助制度です。
既設のエアコンを高い省エネ性能のエアコンに買い替えたときや、新規に高い省エネ性能のエアコンを設置したときに、ポイント(=値引き)が与えられます。
令和6年10月からは、ポイント分がそのまま店舗で値引きとして適用される方式に変わって、申請手続きが簡素化されています。
対象要件としては、次のようなものがあります。
東京都内在住の個人である
対象製品を登録された事業者(店舗)で購入する
都内の住宅に設置する
対象機器の省エネ性能基準をクリアしている
補助上限額は、次のようになっています。
性能や冷房能力、買い替え対象の製品年式によって、東京ゼロエミポイントにおけるエアコンの値引き額(=付与ポイント数)が違います。
最大の値引き額は、70,000円になります。
なお、「東京ゼロエミポイント」の詳しい内容については、下記のサイトをチェックしてください。
https://www.tz-points.jp/
また、地方自治体のエアコンの補助金制度は、東京都以外にもあります。
そのため、住んでいる自治体の窓口で、エアコンの補助金制度について問い合わせてみましょう。
・エアコンの買い替えタイミング
一般的に、エアコンの買い替えタイミングとしては、夏や冬のシーズンの繁忙期は取り付け工事の混雑や在庫切れが発生しやすいため、春や秋のシーズンなどの中間期がおすすめです。
しかし、特に、2026年は、2027年問題の影響を受ける前にエアコンの買い替え需要が増加されることが考えられます。
そのため、エアコンの低価格モデルを選びたいときなどは、早めに買い替えするのがおすすめでしょう。
・2026年後半は需給バランスが崩れる可能性
例年は、エアコンを発注するとすぐに入荷が可能でした。
というのは、需給バランスが取れており、エアコンの本体価格が極端に高くなることもなく安定していたためです。
しかし、2026年度は、“安く買えるエアコン”は入荷しにくくなります。
“安く買えるエアコン”は、生産数が減少しているにも関わらず、大きな需要があるために本体価格が高くなることが考えられます。
例年は、新しいモデルが発売されるまでは旧モデルを製造していました。
しかし、2027年は、省エネ基準未達のエアコンが販売できなくなるため、メーカーの2026年の夏以降の生産数が少なくなります。
一方、販売店は在庫があると販売できるため、“安く買えるエアコン”の確保が進み、供給が需要に対して追いつかなくなり、エアコンの本体価格が高くなることがあります。

■まとめ
ここでは、エアコン2027年問題とは?住宅設備のプロが解説する賢い交換タイミングを知りたい方へ、エアコンの2027年問題のポイント、今後エアコンの本体価格が値上がりする可能性、エアコンの交換は「早め」がポイントについてご紹介します。
エアコンの2027年問題は、住宅設備選びに大きく影響する変化です。
これからは「壊れてから交換」ではなく、「計画的な交換」が重要になります。
エアコン交換をご検討の際は、みずほ住設までお気軽にご相談ください。
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