井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ

2021年1月10日

井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ

有効に井戸水利用することを考えると、最も水を多く使っているのはお風呂で、1日あたり約200L~300L使います。
一方、井戸水に従来のエコキュートは対応していないものが多く、井戸水がせっかくあるにも関わらず、仕方なく水道水をエコキュートに使っていることが多くありました。
しかし、井戸水対応のエコキュートも最近は登場しており、エコキュートの一部のメーカーでラインナップされています。
ここでは、井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ、井戸水対応のエコキュートについてご紹介します。

■井戸水がエコキュートで使えなかった理由とは?

では、従来、井戸水がエコキュートでどうして使えなかったのでしょうか?
ここでは、井戸水がエコキュートで使えなかった理由についてご紹介します。

●水道水と井戸水の違い

井戸水は、水道水とは基本的な成分が違っています。
井戸水というのは、自然に湧き出たままの水で、ミネラルウォーターというときもあります。
井戸水は、水道水のように塩素が含まれていなく、除菌されていません。
一見すると、井戸水は非常にクリーンできれいなような感じがしますが、ミネラルが含まれている量が水道水よりも相当多く、硬度が高くなっています。
井戸水は、このようにミネラルが多く含まれており、高度が高いために、相性がエコキュートと悪くなっています。

●エコキュートの配管が詰まる要因になる

では、どうしてミネラルが多く含まれていると相性がエコキュートと合わないのでしょうか?
カルシウムなどの成分がミネラルの中には含まれています。
このような成分は、エコキュートの配管の中を通ることによって長期的にだんだん固形化して溜まってきます。
そのため、井戸水でエコキュートを長期間使うと、スケールという白い塊がエコキュートの配管の中に溜まってきます。
このスケールがだんだん大きくなってくるとエコキュートの配管が詰まって、湯や水が上手く流れなくなってきます。
井戸水の問題点は、このようにエコキュートの配管の中にスケールが溜まることです。

●トラブルのリスクにもある

スケールが溜まるのは、エコキュートの配管の一箇所だけではありません。
エコキュートの配管のいくつかの箇所で詰まりが発生すると、除去するのが非常に大変になります。
さらに、エコキュートを修理する前に、トラブルが発生することもあり得ます。
エコキュートの配管が完全に詰まっていなくても、配管の中でこのスケールが邪魔をすることによって、水量・水圧が減ることもあります。
井戸水は水道水と比較するとこのような問題点があるため、エコキュートを設置する前には井戸水対応のエコキュートを選ぶ必要があります。

■井戸水対応のエコキュート

ここでは、井戸水対応のエコキュートについてご紹介します。

●パナソニックのエコキュート

井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ

パナソニックのエコキュートは、基本的に井戸水は使えません。
パナソニックのエコキュートは、必ず、水道法の水質基準に適合する水を使う必要があります。
井戸水のときは、エコキュートの配管が詰まる成分が含まれていることが多くあり、早期に配管が目詰まりする要因になるため、エコキュートの寿命が短くなります。
しかし、パナソニックの水質基準をクリアすることを前もってチェックして、パナソニックが使うことを認可した井戸水に限って使うことができます。
なお、石灰分、塩分、その他の不純物が含まれている水道水、酸性の水質の水、自家浄水システムで処理した水を使うときは、エコキュートの寿命が水質によって短くなることがあります。
不具合などが水質に起因して発生したときは、基本的に無料保証の対象にはなりません。

・エコキュートの保証期間
エコキュートの保証期間としては、本体・リモコンは買い上げした日から1年間、ヒートポンプユニットの冷媒系統は3年間、貯湯ユニットのタンクは5年間(水漏れ現象に適用)です。

・地下水(井戸水)利用認定制度
前もって地下水(井戸水)を使うときの使用条件について顧客が同意して、パナソニックが決めた水質基準検査に合格し、パナソニックが認可したものに対して、「地下水利用認定書」が発行されます。
ヒートポンプユニットの水熱交換器のスケール詰まりによる閉塞については、通常は保証対象外ですが、「地下水利用認定書」があると、3年間の保証になります。
なお、3年間の保証は、水質の要因によるヒートポンプユニットの水熱交換器の閉塞に限定されます。

水質検査で地下水(井戸水)が使用可能か検査する必要があります。
検査の申し込みについては、近くの販売店に相談してください。
水質検査は、パナソニック独自の判定基準で行います。
検査結果は、検査する地下水(井戸水)が到着した後、約1週間かかります。
水質検査としては、水質検査費の15,000円(税抜)と実費の送料がかかります。
水質検査費は、地下水(井戸水)が使用可能なときのみかかります。

・保証内容
ヒートポンプユニットの中の水熱交換器の水路が閉塞して運転が異常停止したときに、パナソニックのサービスでエコキュートの性能を復旧します。
なお、このときは、初めにエコキュートを設置したときから地下水(井戸水)の水質が変わっていることが想定されます。
そのため、水質検査(無料)を再度実施して、再度閉塞が発生するのを抑えるために、最適な低めの沸き上げ上限温度に変えます。

・地下水(井戸水)利用認定制度の流れ
ここでは、地下水(井戸水)利用認定制度の流れについてご紹介します。
エコキュートの購入、設置を検討するときは、「地下水利用認定規程」の内容に同意して、必要事項を「地下水水質検査依頼書」に書いて、販売店に申し込みます。
なお、水質検査は有償になります。
水を「採水キット」で採って、販売店に渡します。
水を採ってから、5日以内にパナソニックに着くように対応する必要があります。
採水キットとしては、採水キット取扱説明書、採水容器(ボトル)、貼付シール、チャック付きポリ袋が含まれています。
検査期間としては、水質サンプルがパナソニックの検査機関について受付してから、約1週間かかります。

パナソニックより販売店に「水質検査結果報告書」を送ります。
エコキュートに適さないときは、水質検査料はかかりません。
また、水質検査項目、基準については開示されていません。
水質基準に適合しているときは、エコキュートを購入して設置工事が終わった後に、エコキュート本体に付属している「保証書」の写しを「地下水利用認定書発行依頼書」に添えて、販売店に申し込みます。
パナソニックより販売店に、「地下水利用認定書」と「地下水利用認定シール」を送ります。

「地下水利用認定書」とエコキュート本体の「保証書」は大切に保管して、「地下水利用認定シール」は貯湯ユニットに貼付してください。
トラブルが万一発生したときは、販売店に相談してください。
保証は、エコキュートを購入する前に水質検査を実施して、パナソニックが決めている水質基準をクリアし、パナソニックが認めたときに限定されます。
保証については、免責事項もあるため、「地下水利用認定規程」をチェックして下さい。

●日立のエコキュート
井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ

日立のエコキュートの水道直圧給湯「ナイアガラ タフネス」は、井戸水や硬度の高い水道水に幅広く対応しています。
日立のエコキュートの水道直圧給湯「ナイアガラ タフネス」は、貯湯タンクのお湯を熱源にして繰り返し使うオリジナルの構造を採用することによって、エコキュートの配管の詰まりの要因になるカルシウムなどの流入を低減しています。
なお、エコキュートに使う水としては、水質基準に適合した、200mg/L以下の硬度、60mg/L以下の遊離炭酸としてください。

日立のエコキュートの水道直圧給湯「ナイアガラ タフネス」は、フルオート標準タンク(高効率)のタンク容量370L(3人~5人用)のBHP-FV37SD、BHP-FW37SDE、BHP-FW37SDK、タンク容量460L(4人~6人用)のBHP-FV46SD、BHP-FW46SDE、BHP-FW46SDK、タンク容量560L(5人~7人用)のBHP-FV56SDがラインナップされています。
ここでは、日立のエコキュートの水道直圧給湯「ナイアガラ タフネス」の特徴についてご紹介します。

・「水道直圧給湯」を全ての給湯に採用し、約1/30に貯湯タンクの水の入れ替え量を低減しているため、カルシウムなどのスケール(堆積物)による配管詰まりに対して強い
なお、水の入れ替え量の低減は、日立の減圧弁方式のフルオートのBHP-FW46SUと「ナイアガラ タフネス」のBHP-F46SDの比較です。
「ナイアガラ タフネス」のBHP-FW46SDは、貯湯タンクの水を沸き上げるときに最大約15Lの入れ替えが膨張水分として発生します。
減圧弁方式のフルオートのBHP-F46SUは、最大約15Lの膨張水分にプラスして、貯湯タンクの湯をシャワー・蛇口・ふろの湯はりの全てに使うため、貯湯タンク全量の460Lの水の入れ替えが最大では発生します。
なお、膨張水の試算条件としては、9℃から85℃に貯湯タンク全量の460Lの水を沸き上げたときです。

「ナイアガラ タフネス」のBHP-FW46SDは、貯湯タンクの水の入れ替え量を約1/30に低減したためカルシウムなどの流入が低減し、スケール(堆積物)の発生が少なくなり、エコキュートの配管が詰まりにくいため、井戸水や硬度の高い水道水に幅広く対応できます。
エコキュートを井戸水や硬度の高い水道水で使ったときは、お湯を沸き上げるときの温度でカルシウムなどのスケール(堆積物)が溜まることがあります。
スケール(堆積物)が溜まると、詰まりがヒートポンプユニットの中の水を加熱する配管などに発生して、使えなくなることがあります。
そのため、エコキュートを購入するときは、使う水質に適した機種を選ぶ必要があります。
スケール(堆積物)の発生量は、水質や使用環境によって違います。

・樹脂製継手部品とステンレス配管の採用によって、腐食に対して強い給湯配管(プレート式給湯熱交換器を除く)
なお、プレート式給湯熱交換器は、使う水質や条件によっては腐食による水漏れなどで交換が短期間に必要になることがあります。

・「ナイアガラ タフネス」は井戸水や硬度の高い水質に対応しているため5年間の無償保証期間(プレート式給湯熱交換器を除く)
なお、プレート式給湯熱交換器は、使う水質や条件によっては腐食による水漏れなどで交換が短期間に必要になることがあります。
5年間の無償保証の対象機種は、「ナイアガラ タフネス」のBHP-FV37SD、BHP-FW37SDE、BHP-FW37SDK、BHP-FV46SD、BHP-FW46SDE、BHP-FW46SDK、BHP-FV56SDです。

また、配管の詰まりや水漏れなどのトラブルについては、貯湯ユニット、ヒートポンプユニット、リモコンが保証されます。
ユーザー登録が、5年間の無償保証のためには必要です。
リモコンを除いた脚カバー、ふろ循環アダプターなどの別売品、現地での配管工事部材は対象ではありません。
「ナイアガラ タフネス」を除いた機種は、従来どおり保証期間が本体1年、冷媒回路3年、タンク(缶体)5年です。

●ダイキンのエコキュート
井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ

全国各地には、井戸水・地下水を使っているところがあります。
一般的に、井戸水・地下水には硬度成分のカルシウムなどが含まれており、スケール詰まりの要因になることがあるため、エコキュートを設置するのはおすすめできないことがありました。
しかし、ダイキンオリジナルの水質判定基準をクリアし、ダイキンが認可したものはエコキュートが使えるようになりました。
3年間のメーカー保証が、水熱交換器などのスケール詰まりなどにはついているため安心です。
スケール詰まりというのは、水質(水の硬度が高いなど)によって、水の中のミネラル成分が配管などの中に付くことによって詰まる現象です。

・井戸水・地下水利用のエコキュート納入までの流れ
ここでは、井戸水・地下水利用のエコキュート納入までの流れについてご紹介します。
顧客が、水質検査依頼書(地下水利用同意書 兼 地下水水質検査依頼書)に署名・捺印します。
なお、水質検査費(15,000円(税抜き))は顧客の負担になります。
水質検査依頼書を送ると、検査用採水容器(200ml)が届きます。
採水サンプルを送って、有料の水質検査を依頼します。
水質調査結果をダイキンが報告します。
水質調査結果で適応していないときは、エコキュートが設置できないことがあります。
このときは、ダイキンが水質検査費を負担します。
水質検査結果で適応しているときは、エコキュート設置保証書類、地下水利用認定ステッカーが渡されます。
なお、特別無償修理のときは、製品保証書、水質合否判定書が必要であるため大切に保管してください。
井戸水・地下水でエコキュートを使うときは、まず水質検査で使えるかチェックして下さい。

水質検査は、ダイキン独自の水質判定基準で行います。
専門の水質調査機関が検査は行うため、販売店が渡す地下水利用同意書兼水質検査依頼書に署名・捺印する必要があります。
顧客宅の水を販売店が採ります。
15,000円(税抜き)の水質検査費は、顧客の負担になります。
水質が適応していないときは、エコキュートが設置できません。
しかし、このときは水質検査費がかかりません。
水質検査費としては、地下水・井戸水を利用するときの砂こし器についての費用は含まれていません。
約1週間水質調査結果が出るまでにかかります。

ダイキンより水質検査結果書が販売店に届きますが、水質検査項目、基準は開示されていません。
水質が適応しているときは、地下水利用認定ステッカーがエコキュートを納入した後に渡されます。
水熱交換器のスケール詰まりなどについては、安心の3年間保証が付いています。
ダイキンのエコキュートのメーカー保証期間は、タンク(缶体)が5年間、冷媒系統が3年間、その他の部品が1年間です。
井戸水・地下水利用保証期間は、スケール詰まりなどによる水熱交換器は3年間です。

・井戸水・地下水を利用するためのQ&A

Q:塩化物イオン、硫酸イオンが多く含まれている水は、銅配管に適していないのでしょうか?

A:銅配管のときは、穴があく恐れがあります。

Q:エコキュートと水のpHの関係は?

A:低いpHの酸性の水は金属が腐食する働きが強く、逆に高いpHのアルカリ性の水は水中にスケール成分が溶ける程度が低くなって、スケールが溜まることによるトラブルの恐れがあります。

Q:硬水の地域でエコキュートは使えますか?

A:マグネシウム硬度とカルシウム硬度の総量で、水の全硬度は決まります。
水の全硬度が高いときは硬水で、エコキュートを設置するとスケール詰まりの要因になります。
硬水の地域では、水質検査が必要になります。

Q:カナケが多い水でエコキュートは使えますか?

A:カナケが多い水は、鉄分が多いものです。
鉄分が溶解性のときは酸化されやすく、酸化鉄や水酸化鉄に変わります。
エコキュートの中に溜まって、スケールや汚れの要因になったりします。

Q:微量の砂が井戸水に混じるのですがエコキュートは使えますか?

A:それぞれの家庭の井戸水・地下水を使うときは、水質検査以外に、砂こし器の取付けが必要です。
また、砂によるトラブルは、定期的な貯湯ユニットの給水フィルターのメンテナンスによって防止できます。

・家庭用浅井戸ポンプ、砂こし器、止水栓について
家庭用浅井戸ポンプを現地手配で使うときは、圧力・流量変化に対応するため、インバーターポンプがおすすめです。
井戸水・地下水を利用するときは、砂こし器を現地手配で取り付け、定期的な貯湯ユニットの給水フィルターのメンテナンスが必要です。
止水栓を必要によって現地手配で取り付けしてください。

●長府のエコキュート
井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ
長府のエコキュートの井戸水対応モデルは、井戸水や硬度の高い水道水でも使えます。
交換不要の特殊システムによって、水中に含まれている石灰成分がエコキュートの配管や熱交換器の中に付くのを抑えます。
水をフィルターによって浄化する従来のような浄水器とは違って、メンテナンスフリーでランニングコストゼロです。

なお、水道法に決められている飲料水の水質基準に適合した水に限定されます。
井戸水対応モデルの対象機種は、フルオート(一般地仕様)の370LタイプのEHP-3703BX-I、460LタイプのEHP-4603BX-I、フルオート(寒冷地仕様)の370LタイプのEHP-3703BX-I-K、460LタイプのEHP-4603BX-I-K、があります。
・井戸水でエコキュートを使ったときの給水システム例
井戸水でエコキュートを使うときは、トラブルの要因になる恐れがあるため、70メッシュ以上の砂取器(S-25)を取り付けてください。
浅井戸ポンプとしては、貯湯タンクへの給水圧力が0.2MPa以上になるものを使ってください。

砂取器は、異物や砂の吸い上げによって浅井戸ポンプが回らない、陽水できない、寿命が短くなる、などを防止します。
また、貯湯ユニットのストレーナが目詰まりして流量が下がるのを少なくします。
砂取器は、メンテナンスを定期的に行うことが必要です。
冬期には、エコキュートの配管内や砂取器の水が凍ることがあるため、凍結予防処置が必要です。

■井戸水対応エコキュートで注意すること

ここでは、井戸水対応エコキュートで注意することについてご紹介します。

●エコキュートの本体価格が高くなる

井戸水対応エコキュートの本体価格は、当然ですが、普通のものよりも高くなります。
平均的に、イニシャルコストは5万円~10万円くらいは高くなることを考えておきましょう。
買い替えするときは、工事費が現在使っている給湯機の状況によっては高くなることもあります。
井戸水対応エコキュートを検討するときは、本体価格が高くなることも考えておきましょう。

●水質検査費がかかる

井戸水対応エコキュートは、メーカーによっては水質検査が必須になっています。
特に、パナソニックとダイキンは、検査費用が15,000円(税抜き)とちょっと高めになっています。
エコキュートは、イニシャルコストが高いといわれがちですが、井戸水対応のエコキュートは別に水質検査費もかかることを考えておきましょう。

●水圧が弱くなることがある

井戸水をエコキュートに使うことによって、水圧が弱くなることもあります。
これについては、家庭用浅井戸ポンプなどを設置することによって、お湯を快適に供給することができます。
しかし、家庭用浅井戸ポンプなどを設置するときは、費用が別にかかります。

■まとめ
ここでは、井戸水対応のエコキュートをお探しの方へ、井戸水対応のエコキュートについてご紹介しました。
井戸水対応のエコキュートとしては、パナソニックのエコキュート、日立のエコキュート、ダイキンのエコキュート、長府のエコキュートがあります。
井戸水対応のエコキュートを探している方は、ぜひ参考にしてください。


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